
歴史ファンタジーと言えばこれ!という本を紹介するなら、荻原規子さんが書いた「勾玉3部作」です。
「空色勾玉」、「白鳥異伝」、「薄紅天女」、これらを合わせて勾玉3部作と呼びます。それぞれは独立した物語なのでどれから読んでも良いのですが、一応関連づいているので空色勾玉から読んでいけばその些細な気付きにテンションが上がることでしょう。時代も、空色勾玉が一番古くなっているので段々と現代に近づいていっています。
荻原規子さんの書く文章の素晴らしいところは、女性目線で描く女性が魅力的なことです。男性が理想とする女性を描くことが多い異世界転生ものと違って、女性が描く女性なので女性に共感してもらえるところが多いかもしれません。アニメになるような萌えキャラでは決してありません。これを言うと好き嫌いが分かれるかもしれませんが、ラノベとは一線を画した本格派と言えるでしょう。

基本的に少年少女がメインで描かれているので、同年代の人は自分と重ね合わせて、その年を過ぎた人はそのころの自分と照らし合わせて読めると思います。
また、荻原規子さんと言えば自然の描写がとても素敵だと思います。今と違って昔を描くのでもともと自然が豊かではあるのですが、それを季節ごとに、また地域ごとに描くためどんなシチュエーションか理解しやすくなっています。歴史にもとてもお詳しいため、当時の様子がわかるのも魅力ですね。自然が好きで緑豊かな土地に憧れているなら、疲れを取る良い本となってくれると思いますよ。

ちょっと聞きなれない「歴史ファンタジー」というジャンル、読書好きな方に響いたでしょうか。本は最後まで読まなければ面白かったかわからないのは当然ですが、最初から当たりとわかっている本というのは読みたくなりますよね。読み終わってから外れと思った時の時間の無駄感は悲痛ですから。上記の特徴が自分の好みだなと思ったら、是非歴史ファンタジーの世界へ入り込んでみてください。
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