お味噌汁の仕上げには粉状のダシをサラサラ〜、コンソメスープには固形のコンソメダシをポトン、中華にもサラサラ、忙しいとやってしまいがちなことですが、これらの料理の本当のダシのこと、どれだけ知っていますか?

洋食や中華のダシはビーフエキスやポークエキスなど、家庭ではなかなか手作りしにくい部分もありますが、お味噌汁のダシは本来、日本近海で獲れる海の幸と山の幸が元となっています。カツオ節や昆布、椎茸などはその代表ですね。料理の表には出てきませんが実は重要な「旨味」を担っているのがダシです。お味噌汁のダシ、とったことがありますか?

現代は味覚がはっきりしない、味を感じられない、いわゆる味覚障害の方が増えている傾向にあるそうですが、その原因の一つとして考えられているのは、出来合いの料理ばかりを口にするような生活スタイルです。市販品の多くには、化学調味料が多量に含まれており、その刺激の強い味に舌が慣れてしまって、本来のやわらかく優しいダシのような旨味を感じられないというのです。

特にこれからどんどん育っていく子供たちでさえも、味覚に異常が見られるケースもあり、この先が心配です。






できれば家庭で出すお味噌汁は、少し手間でも自然な味わいを食べさせてあげたいものですね。最初は薄く感じても、ダシの味に慣れてくると、もともとは間食の多かった人でも市販品の味は強く感じられるようになるのでスナック菓子などを遠ざけるようになったり、食べ物に対する嗜好にも変化が起こります。自分は大丈夫かな?と、少しでも心配になったらダシを自分でとる習慣を始めてみてください。

最も簡単なダシの取り方は、昆布と椎茸のミックスだしです。時間がなくて…という方でも、冷蔵庫で放置しておけば作れるので手軽に始められます。口の広い空き瓶やウォーターポットなどに、1Lの水と乾燥椎茸を一つ、20センチ程度の乾燥昆布を2枚入れて、1〜2日放置しておけば、水ダシの出来上がりです。見た目にはほとんど変化がありませんが、最初の水よりも昆布のまろやかさ、椎茸の香りがついていると思います。

さらに贅沢するなら、ここにカツオ節を入れて一煮立ちさせるとさらに旨味が増して美味しいお出汁がとれます。このダシを使えば、お味噌汁、煮物、なんでも一味違ったできあがりになりますよ。

忙しくてなかなか手作りをしているゆとりがない、とはいえ、忙しさの代償に自らの味覚や健康を損なっては本末転倒。本来の食事を作り、ゆっくりとだしを味わう時間を作ってみてはいかがでしょうか。きっと今までよりも豊かなお食事ができるようになりますよ。



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