ク・ヘソン の最新ニュースまとめ
ソウル・三清洞のカフェで会った彼女に、まさに”万能エンターテイナー”だと言うと、「良いように言いすぎだ」と笑いが返ってきた。
「私はこれというものがないんです。そう言っていただけるとありがたいですね。好きなだけにとどまらず得意なものに発展させられるよう、しっかりやらなければという責任感を感じます」。
演出した『妖術』は、音楽学校に通う3人の男女の愛と嫉妬(しっと)を描く音楽映画だ。作品構想中にチェリストの公演を見て、「公演のような映画を作りたい」と思ったという。メロドラマを期待していたらがっかりしますよ、とク・ヘソン。語りたかったのは「青春の愚かさ」だ。作品に点数をつけると、と尋ねると「自分1人ではなくたくさんのスタッフで作った作品なので、わたし以外は100点です」と笑った。
ストーリーの流れが滑らかでないという評もあるが、自らも「不親切な映画だったと思う」と語る。映像と音楽をメーンに構成し、ストーリーは放棄した。最初から物語を作るつもりはなく、骨組みだけ与え、あとは見る人に任せる考えだったと説明した。独特のシーン構成も、ストーリーではなく視覚と聴覚で感性を引き出したいという狙いだ。
監督デビューに至るには、昨年他界したある映画会社の代表の影響が大きかった。文章を書くのが好きで、短編映画の脚本を書き見せにいったところ、「君は映画をやりなさい」といわれた。「あの方でなかったら、(監督業は)やっていなかったと思う」と振り返る。そうして始めた映画演出が、彼女の人生を大きく変えた。
「世の中に出て、人々と疎通できるようにしてくれました。消極的でプラス志向になれなかった自分が変わったと思います。演出は1人でするものではないでしょう。演技は役に入り込んで壁を作ることもあるけれど、演出はぶつかり合って意見を出していかなければ」。
多彩な活躍を見せているが、何と呼ばれたいかと尋ねると、「役者、俳優も何だし、監督も恥ずかしいし、画家だなんて死にそう。ただ、ク・ヘソンさんと呼んでもらうのが一番です」。
幼いころから、何かに才能があるというより、いろいろなものに興味を持っていた。その興味が10年、20年と続くことも才能だと思うという。毎日部屋の隅に座り音楽を聞き日記を書いていた子だったが、隣に住むミュージカル俳優に無料のチケットをもらい、近所のピアニストの家に遊びに行き、肩越しにピアノを学んだ。
次の演出作品では、少女の感性で初恋の物語を描く。すでに脚本も仕上がっている。役者としては、ミュージカルが素材のドラマに出演する予定だ。そのほかの活動ももちろん続けていく。16日には、オリジナル曲『茶髪』のデジタルシングルがリリースされる。KBS第2ドラマ『乗勝長駆』で披露した曲だ。
映画『妖術』は韓国で今月24日に封切られる。
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