韓国代表ユニフォームを着たチャ・ドゥリの姿は二度と見ることができない。たとえ、父の伝説を超えることはできなかったが、チャ・ドゥリはもう一つの伝説となり、韓国サッカー史にその名を刻んだ。
韓国代表ユニフォームを着たチャ・ドゥリの姿は二度と見ることができない。たとえ、父の伝説を超えることはできなかったが、チャ・ドゥリはもう一つの伝説となり、韓国サッカー史にその名を刻んだ。
「車範根(チャ・ボングム)の息子」としてスタートしたのが、チャ・ドゥリのサッカー人生だった。ありがたくも、あるいは”よりによって”なのだろうか、生まれたのは、「韓国で最もサッカーが上手い男」チャ・ボムグンの息子だった。周囲の目には「うらやましい」対象だったかもしれないが、自身にとっては「もどかしい壁」にもなった。

チャ・ドゥリ の最新ニュースまとめ

 チャ・ドゥリは「父が走るサッカーの映像を見ながら育ち、父に挑戦した。父よりサッカーが上手くなりたかったし、上手くなれると信じていた。しかし、ある瞬間から現実の壁を感じた」と告白。引退式の際、花束を手渡した父と抱き合って号泣したのは、父が憎くもあり、そして誰より感謝していたから。

 「複雑な感情だった」と話したチャ・ドゥリは、「父に挑戦したが、失敗したことについて、残念な思いがある。頑張って駆け抜けたが、父に近づくことさえできなかった無念さもあった。しかし、それでも僕にとって父は最も尊敬し、愛する人。幼少時代から”あの人”のようになりたい、と心に決めたロールモデルだった。僕のことをよく知る監督であり、惜しみない愛情を注いでくれた父に出会えたことに感謝している」と話し、重い肩の荷を下ろした。

 「父は、僕にすべてを与えてくれた。ピッチの外では僕を一番理解し、どのようにするのが最善かを指示してくれる監督だった。仕事と私生活、すべて父と共にあった」と話したチャ・ドゥリは、ハーフタイムにおこなわれた引退式で涙を流した。サポーターが用意したメッセージ映像を見て一度、そして、父の胸に抱かれて二度目の涙を流した。

 チャ・ドゥリは「代表選手としてのラストゲームで父の姿を見たら、たくさんの思いが交錯した。きょうで大きな荷物を下ろすことができて安心したという思い。その一方では、父の牙城に挑戦したけど失敗したという自責の念が浮かんだ」と語った。

 韓国代表ユニフォームを着たチャ・ドゥリの姿は二度と見ることができない。たとえ、父の伝説を超えることはできなかったが、チャ・ドゥリはもうひとつの伝説となり、韓国サッカー史にその名を刻んだ。


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