
日本には、「井の中の蛙大海を知らず」ということわざがありますよね。これは鶏口牛後と同じような意味合いで、小さな世界ではトップレベルに居られても、その外に出たら大したことないよという意味です。井戸の中という小さな世界にいるカエルは、外の世界を知らないのです。
しかし、このようなシチュエーションは人間にとってはとても良いことではないでしょうか。確かに視野を広げることは大切ですが、そこで大きな世界に出たところで自分の今までの実力が大したことなかったら、きっと傷ついてしまいます。

今までトップレベルにいたはずなのに、急に普通の人になってしまった、それ以下のレベルになってしまったとなったら、精神状態も変わってしまいます。これは、もしかしたら中学から高校へ上がった時にそう感じたという人も多いのかもしれませんね。中学では良い成績でトップにいたのに、偏差値の高い高校へ入学した途端、自分は大したことのない人になったという経験。
外の世界を知れば、より高いレベルを目指せるかもしれません。しかし、そこで腐ってしまう人も少なくありません。であれば、自分が気持ちが良いシチュエーションで暮らすのも悪いことではないと言えるでしょう。

社会人になってからキャリアアップをあえてしない人が多いのは、このような場合を考えているからではないでしょうか。上に行けば行くほど仕事のレベルは上がってスキルアップにもなるけれど、そこそこのお給料をもらえているならそれで満足、むしろプライベートを充実させたいと考えている人も多いです。
また、地頭や才能を持っている人にはどうしても叶わないこともあります。生まれ持っての天才が近くにいたら、自分がいくら努力をしても追い付けない場合だってあります。理不尽だと思うかもしれませんが、それが世の中です。であれば、あまり良いことわざと捉えられなくても、井の中の蛙でいても良いのではないでしょうか。
(C)wowKorea