『MW』は映画祭のオープニング作。1976年から1978年にかけ、日本の漫画雑誌『ビッグコミック』で連載された手塚治虫氏の作品を原作にしている。ある島で秘密化学兵器「MW」が漏れ、島民が相次ぎ死亡する事件が発生してから16年後、奇跡的に生き残った結城美智雄(玉木宏)が政府を相手に復しゅう劇を繰り広げるというストーリーだ。
岩本監督は17日の聯合ニュースとのインタビューで、この作品は「善と悪を素材にした二重奏」だと説明した。「原作にできるだけ忠実に、善と悪を正面から見つめようとしました。“悪”を描くということは同時に“善”を見せられるという考えで作りました」
映画にはところどころ暴力的な殺人描写があり、人々の死に顔がクローズアップされるシーンもある。残忍さを見せることで命の大切さを気づかせるだめだという。「結城が人々を虫のように殺していくシーンを見ながら、観客は人生とは何なのかを考えるでしょう」と話す。
これまでの日本の大作映画がその地域色を前面に出していたとすれば、『MW』は悪の根源性という普遍的なテーマを扱った。芸術よりも大衆性に重きを置いた点も、オープニング作に選ばれた理由だ。
岩本監督は、映画よりもドラマのディレクターや演出家としてよく知られている。映画監督作は『明日があるさ THE MOVIE』(2002年)と『MW』の2作だが、ドラマはフジテレビ入社以来、100作以上を手がけている。
仕事に忙しく、これまで韓国を訪れるチャンスがなかった。今回の訪韓も1泊2日と短い。韓国が思ったより近くて驚いたといい、「情緒も日本と似たところが多いよう。今後は頻繁に訪れたい」と話した。
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