トランプ氏が韓国を訪れるのは2019年以来、6年ぶり。第2次トランプ政権発足後では初めて。本日(29日)午後には米韓首脳会談が予定されている。米韓は関税交渉で対米交渉をめぐる認識の違いなどが壁となり、依然として最終合意に至っておらず、韓国政府は今回の会談が交渉を進展させる重要な契機になるとみている。
トランプ氏は30日夜に帰国の途に就く予定だが、帰国を延長して、電撃的に米朝首脳会談を行う可能性が依然としてささやかれている。トランプ氏はかねてから米朝対話の再開に意欲を示している。今年1月にはFOXニュースのインタビューに、金氏について「私は彼と仲が良かった、彼は賢い男だ」と述べ、「また接触を図るのか」との記者の質問に、「そのつもりだ」と述べた。トランプ氏は今年8月、韓国のイ・ジェミョン(李在明)大統領と会談した際も、金氏との再会談に意欲を見せ、「金総書記とは良い関係にあったし、今もそうだ。彼は私に会いたいだろうし、こちらも楽しみにしている。関係をさらに良くしたいので、支持してほしい」と求めた。また、時期について当時、「年内に会いたいと思う」とした。
金氏も9月、首都・ピョンヤン(平壌)のマンスデ(万寿台)議事堂で開かれた最高人民会議(国会に相当)で演説し、「もし米国が非核化の執念を捨てて、現実を認めるなら、対座しない理由はない」と対話の可能性に含みを持たせた。また、トランプ氏について「私はまだ個人的ないい思い出を持っている」と述べた。
米CNNテレビは今月18日、トランプ政権の高官が、米朝首脳会談について、実施の可能性について非公式に話し合ったと伝えた。しかし、CNNは「ホワイトハウスの警備チームが、トランプ氏の(韓国)到着に先立って韓国への視察を2度行ったが、いずれも(韓国と北朝鮮を隔てる軍事境界線にある)パンムンジョム(板門店)周辺には行かなかった」と指摘。「これは2019年の首脳会談のような再会が今のところは考えられないことを示唆している」と報じた。
両氏は、トランプ氏が1期目の2018~19年に3回会談した。トランプ氏は朝鮮半島の非核化を求め、18年6月のシンガポールでの初会談ではこれに大枠で合意。しかし、19年2月のハノイでの会談で非核化のプロセスなどをめぐり交渉が決裂した。3回目の首脳会談は19年6月に板門店で実施。トランプ氏が現職の米大統領として初めて南北軍事境界線を歩いて越えて北朝鮮に入る場面に、当時、世界が注目したが、以来、米朝首脳は顔を合わせていない。
アジア歴訪中のトランプ氏は27日、記者団から金氏との会談のために韓国滞在を延長する考えがあるかと問われ、「答えは『はい』だと思う。(韓国は)最後の訪問地なので、(延長は)かなり簡単だ」と述べ、可能性を排除しなかった。この発言に、韓国紙のハンギョレは「北朝鮮に近い韓国にいるため、金委員長(総書記)との会談が決まればすぐにでも会えるということだ」と解説した一方、「ただ、トランプ大統領が繰り返しシグナルを送っているにも関わらず、金委員長は一貫して無反応であるため、会談が実現するかは依然として不透明だ」と伝えた。
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