韓国のソウル南部地裁は28日、国家保安法違反の容疑で懲役3年を宣告されたチョン・ジンテ氏(72歳)の再審で無罪を宣告した。
当時ソウル大学生であったチョン氏は1983年2月、カール・マルクスの資本論を所持していたことが「利敵表現物の所持」にあたるとして検挙された。チョン氏は「裁判の過程で拷問や集中調査を受け、懐柔や強圧も受けた」と主張した。
しかし1審・2審・3審でチョン氏の主張は受け入れられず、懲役3年が確定した。
それから40余年が過ぎたことし4月、真実・和解のための過去事整理委員会は「チョン氏が不法に拘禁された状態で調査を受け、虚偽の自白を強要された」として、真実究明の決定を下した。
この日に開かれた再審でも、先のような事実が全て認められた。裁判所は「チョン氏が保有していた書籍の内容が、北朝鮮活動に同調したり国家の存立や安定を脅かすとみるのは難しい」として、無罪を宣告した。
チョン氏は裁判後、取材陣に「これまでまともに職に就くこともできず。困難な生活をしてきた」とし「やっと本当に正式な韓国民になった気分だ」と語った。
Copyrights(C) Herald wowkorea.jp 96

