韓国の警察が、中国人観光客など短期滞在者の韓国国内での運転を認める案について検討中だ。

警察庁は16日、国会の行政安全委員会の国政監査業務報告で、中国政府が発行した運転免許を韓国国内でも使用できるよう認めるものの、入国時に届け出を行い臨時運転証明書を申請して発行されるよう条件を追加するする案について検討中だと明らかにした。臨時運転証明書の有効期間は最大で1年だ。

韓国の警察は今年の6月に、このような検討内容を外交部を通じて中国政府に伝えているが、中国側の公式な返答はまだない。

現在、中国は道路交通に関する国際条約に加入していないため、国際運転免許証を使用することができない。これにより、韓国人の短期滞在者は中国国内で運転が可能だが、逆に中国人の短期滞在者は韓国で運転が不可能だった。これはノービザでの入国が初めて導入されたチェジュド(済州道)でも同様だ。

2019年の1月に中韓運転免許相互認定協定締結のための協議が行われたが、新型コロナウイルスの感染拡大などの理由で中断された。続いて2024年の5月に中韓治安トップ会談で再び議論が行われた。

しかし警察の関係者は「中韓両国の短期滞在者が相手国でどのように運転することになるかについての事実関係を把握している段階」として「実質的に議論が行われたわけではない」と説明した。

警察は交通安全などを考慮して効率的なコントロールができるよう、実効的な案をまとめる計画だ。

中国の運転は乱暴なことで有名だ。基本的な道路交通の思想は「人より車が優先」だ。違法な車線変更、中央線のはみ出し、逆走、歩行者無視など基本的な交通マナーを守らない運転者が多く、これにより交通事故や人的トラブルが頻繁に発生する。

運転中にトラブルが起こった場合、暴行や報復運転につながる事例が多く、報復運転の検挙件数の97%は男性とされている。SNSでは女性ドライバーが男性に暴行される映像を数多く見つけることができる。

両国の運転マナーの差が大きい状況の中で安易に国内での運転を許可すると、国内の交通秩序に混乱をきたしかねないため注意が必要だとの声が出ているのは、こうした理由からだ。
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