米グーグルの検索トレンドによると、世界における8月17~23日の「韓国(Korea)」の検索件数は2022年末以来、2年8カ月ぶりの高水準を記録。尹錫悦(ユン・ソクヨル)前大統領が「非常戒厳」を宣言した前後(昨年12月1~7日)の検索件数を上回った。
また、「韓国」の検索件数は「KPOPガールズ!」が公開された6月20日を境にほぼ2倍に跳ね上がった。
「韓国料理(Korean Food)」の検索件数も過去最高水準となり、同作の公開後に75%増加した。
この作品は、K―POPアイドルグループのHUNTR/X(ハントリックス)が悪霊を退治し歌で世界を守るというストーリーだ。
劇中ではHUNTR/Xの3人のメンバーがスンデ(豚の腸詰め)、韓国おでん、冷麺のほかキンパ(のり巻き)、即席麺、スナック菓子を食べるシーンがある。
これを受け、食品大手の農心は「辛ラーメン」や「セウカン」など一部製品のパッケージに「KPOPガールズ!」のキャラクターをあしらった製品を発売する。
同社の関係者は、若者たちの日常的な姿を通じて韓国の食品が海外でも身近になったとして、今回の協業が農心の海外事業拡大に役立つと期待を寄せた。
サムスン電子は「KPOPガールズ!」をテーマにしたスマートフォンの待ち受け画面を来月12日まで無料配布する。
このほか、農林畜産食品部の全漢英(チョン・ハニョン)報道官は、動画投稿サイト「ユーチューブ」で劇中のキャラクターに扮してアジア太平洋経済協力会議(APEC)食料安保担当相会合のPRを行った。
化粧品や観光業界も作品の経済効果に期待している。
化粧品メーカーの関係者は、「K(韓国)ビューティーが人気の米国で作品が流行しており、化粧品もシナジー効果を得られるのではないか」との見方を示した。
「KPOPガールズ!」にはソウルの北村韓屋村やNソウルタワーを連想させる風景が登場し、観光業界も訪韓需要の増加を見込んでいる。
ホテル業界の関係者は「通常は韓国ドラマや映画がヒットすれば日本や台湾、東南アジアからの観光客が増える傾向がある」とした上で、作品が世界的に人気を集めたことで新たに韓国に魅力を感じる観光客が増えそうだと話す。
別の関係者も、直ちに訪韓需要が急増することはないとする一方、長期的には肯定的な影響があるだろうと予測した。
NH投資証券は、「KPOPガールズ!」に代表される韓国のソフトパワーの拡大により、化粧品や食品・飲料、エンターテインメント銘柄の株式が再評価される可能性が高まるとの見通しを示した。
同証券のナ・ジョンファン研究員は「K―POP、ドラマ、映画など韓流コンテンツの拡散は単なる文化の消費を越えて韓国訪問の需要を刺激する」とし、「観光客が増え、外国人が化粧品を購入したり屋台の食事を体験したりして消費を拡大するだろう」と予想した。
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