韓国は米国に3500億ドル(約52兆7000億円)を投資し、その他に1000億ドル(約15兆円)相当の液化天然ガス(LNG)やその他のエネルギー製品を購入することを決めた。その見返りとして、米国は韓国に対する相互関税率と自動車の関税率をそれぞれ25%から15%に引き下げることを決定した。これは日本や欧州連合(EU)と同じ水準だ。米国のトランプ大統領は7月30日(現地時間)、トゥルース・ソーシャルに「米国は韓国と全面的かつ完全な貿易合意に至った」との文章を掲載した。イ・ジェミョン大統領は31日、フェイスブックに「今回の交渉により、輸出環境の不確実性をなくした」と書き込み「大きな峠をひとつ越えた」と述べた。

米韓関税交渉は善戦したと総評することができる。今回の合意までを振り返れば緊張の連続だった。ク・ユンチョル副首相が米国側の一方的な通知により出国直前に空港から戻る緊迫した瞬間もあった。しかし、キム・ジョングァン産業通商資源部長官とヨ・ハング通商交渉本部長がスコットランドまで飛び、ラトニック商務長官と会談を続けるなど、執拗(しつよう)に米国を説得した。さらにク副首相もワシントンで合流し、ついに交渉期限を2日後に控えて合意を引き出した。コメと牛肉市場の開放も防いだ。交渉チームの粘り強い努力は評価に値する。交渉を現地で支えたイ・ジェヨン(李在鎔)サムスン会長ら企業家の活躍も交渉合意に寄与した。

今後2週間以内にホワイトハウスで米韓首脳会談を開催することを決めたのは、もうひとつの成果だと言える。トランプ大統領が「新大統領(李大統領)の選挙での勝利を祝いたい」と述べたのも現政権にとって嬉しいものだ。実際に李大統領が6月の初めに就任してから、米韓関係が円滑に進まないことを危惧する声はあった。8月の米韓首脳会談は、このような懸念を払拭するチャンスだ。

日本は5500億ドル(約82兆8000億円)の投資を約束した。日韓の経済規模を考慮した場合、韓国の投資額3500億ドルは少ない金額ではない。しかし、李大統領が述べたように、今回の交渉を「米韓間の産業分野の協力をさらに強化し、米韓同盟をさらに確固たるものにするチャンス」だとするならば、むしろ長期的に韓国にとって得になりうる。造船はもちろん半導体や原発、二次電池、バイオの開発などは米国と手を組むのが有利だ。米韓両国が安保を越えて経済同盟を構築していく上で、今回の交渉がその礎(いしずえ)になることを願いたい。
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