9月に完工予定の同センターでは、言語・心理・行動治療などで子どもや青少年のメンタルヘルスをサポートし、臨床と研究を連携させた多様なプログラムを実施する。
SUGAさんは昨年11月、小児精神科の権威であるセブランス病院の千槿雅(チョン・グナ)教授と知り合い、自閉スペクトラム症の患者には短期的治療よりライフサイクルに合わせた治療が必要であることを知った。そのなかで10年以上の中長期的治療を行うためのセンター設立の必要性に共感し、寄付を決めたという。芸能人の寄付金としては、セブランス病院が属する延世大学医療院全体でも過去最高額だ。
千教授とSUGAさんは昨年末から今年初めにかけ、治療センター設立と音楽を活用した自閉スペクトラム症患者の社会性訓練に関して議論した。これを基に、これまでの社会性訓練プログラムと音楽的コンテンツを融合させた新たなプログラム「MIND」が開発された。プログラムの参加者は楽器演奏や歌唱、音楽に合わせた作文などを行うことで感情や考えを表現する。
兵役の義務を果たすため、2023年9月から社会服務要員(兵役代替服務制度の一つ)として勤務していたSUGAさんは、今年3~6月の週末を利用して自閉スペクトラム症の子どもたちに会い、プログラム開発に参加。自らギターなどの楽器を演奏して子どもたちの感情表現を助けたり、楽器の演奏を教えたりした。セブランス病院は、プログラムが進むにつれて子どもたちの感情や言語表現が確実に増え、他の子どもたちと協力したり待ったりする過程で社会性も養われたと説明した。
SUGAさんは「7カ月間、千教授とプログラムの準備やボランティア活動を行うなかで、音楽が心を表現し、世界と意思疎通する大切な通路になるということを深く感じました」とし、「自閉スペクトラム症の子どもたちの治療過程に寄り添えたこと自体がありがたく、幸せでした。より多くの子どもが社会の一員として共に生きられるよう、これからも力になりたいです」と話した。
千教授は「常に真摯(しんし)で知性的な態度を変わらず示してくれたSUGAさんの誠実な姿に深い感銘を受けました」とし、「自閉スペクトラム症の子どもたちを音楽というメディアを通じて独立した存在である健康な社会人に成長させること、自閉スペクトラム症患者に対する偏見をなくし、障害に対する認識を改善することがミン・ユンギ治療センターと『MIND』プログラムの究極の目標です」と強調した。
SUGAさんは今月21日に招集解除を迎え、兵役の義務を終えた。
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