李氏は4日午前2時半、開票を218万票残した状況で48.8%の得票率を記録し当選を決めた。尹政権で与党だった保守系政党「国民の力」の金文洙(キム・ムンス)氏の得票率は42.1%となっている。
李氏は4日未明、国会があるソウル・汝矣島で演説し、「皆さんが私に託した第一の使命である内乱を克服する」と述べた。
李氏の当選を受け、金氏は記者会見を行い、「国民の選択を謙虚に受け止める」と敗北を宣言した。
2022年の前回の大統領選で尹氏に0.73ポイントの僅差で敗れた李氏が今回の大統領選で勝利した背景には、尹氏と国民の力に対し審判を下すという意味合いがある。尹政権の中間評価とされた昨年4月の総選挙で共に民主党が圧勝し、政権の国政運営の原動力が弱まった中、尹氏による非常戒厳宣言は中道層や一部の保守層からの支持を失う決定的な要因となった。
国民の力は不正疑惑などを巡る複数の裁判を抱えている李氏の「司法リスク」を批判してきたが、政権交代を求める声を乗り越えられなかった。
尹氏の弾劾と罷免により、保革対立が激化するなど混乱が続き、早期の国政安定を望む世論も「準備された大統領」を掲げた李氏に有利に作用した。城南市長と京畿道知事などの行政経験や大統領選の経験、共に民主党の代表として昨年の総選挙を指揮したことなどもプラス要因になったとみられる。
政界の構図も大きく変化する見通しだ。共に民主党は国会(定数300)で過半数の171議席を占めており、少数与党体制が解消する。与党が過半数を握った状態で政権が発足するのは朴槿恵(パク・クネ)政権の2013年以来となる。「祖国革新党」など革新系野党などの議席を合わせると、与党系議席は約190となり、「スーパーパワー」を持つ与党が誕生する。
朴氏の弾劾で窮地に陥った後、尹政権の誕生で再起を模索した国民の力は再び絶体絶命の危機に追い込まれた。
李政権初期には政治や外交、経済、社会など全分野で大きな変化が生じると予想される。政権初期には尹政権に対する捜査や処罰が行われるとの見方がある一方、経済回復に焦点を当て最大限安定的に国政を運営するとの観測もある。
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