大統領選挙の事前投票が始まった中、デジタル資産市場の活性化が両党の主要な経済公約として浮上している。特に与野党共にSTO(トークン証券発行)の法制化を明示し、これまで制度の空白により萎縮していたSTO市場が本格的に制度化される転換点を迎えるかが注目されている。

政界と業界によると、共に民主党は事前投票開始前日の28日、公式大統領選挙公約集を公開した。共に民主党は公約集を通じて「韓国をデジタル資産のハブにする」として、STOの法制化を通じて多様な事業機会を作ると明らかにした。

公約集を見ると、共に民主党はまずトークン証券の早急な法制化を進めるとしている。共に民主党のミン・ビョンドク議員が昨年発議したSTO法が代表的だ。ミン議員は昨年の11月、資本市場法の改正案と電子証券法の改正案を発議した。これらの法案にはトークン証券の定義と流通の手続きなどを規定する内容が含まれている。共に民主党は、イ・ジェミョン(李在明)候補が当選した際にはSTOの制度化関連法案を速やかに処理するものとみられている。

共に民主党はSTOの法制化を通じて多様な事業機会を創出する計画だ。実際にSTO市場が活性化されれば、トークン証券発行プラットフォームはもちろん、流通市場、カストディ、資産評価など関連インフラ全般にわたり新しい事業機会が拡大するものとみられる。特に、金融機関とフィンテック企業間が協力し、STOをもとにした私募ファンドや年金基金商品、PBを対象とした代替投資など多様な金融モデルが登場する可能性がある。

共に民主党は具体的な公約として、国債、美術品、特許など既存の証券で取り引きされなかった資産の制度権取引の許容、場外流通プラットフォームの制度化を通じた流動性の向上、公正な価値評価および会計監査、権利関係の確認システムの構築など、投資家保護の強化を挙げている。STOを活用した様々な事業機会を創出すると同時に、投資家の信頼性を高める方向で設計されている。

これまでの証券市場の外にあった実物資産が制度の枠の中で取引可能になった場合、資産の流動化の範囲が広くなり金融革新が加速化する見通しだ。特に国債や特許など公共性と技術的価値を持つ資産が証券化された場合、個人投資家に新しいポートフォリオの手段が開かれる可能性があるという点で注目されている。

また、場外流通プラットフォームが制度に組み込まれた場合、取引の透明性が高まり、流通市場の流動性の確保にもプラスの影響を与えるものとみられている。金融監督体系の下で価値評価、会計監査、権利構造の確認などのインフラが用意されれば、STO市場の最も大きな危険要素として指摘されてきた投資家の保護問題もある程度解消されるものと期待されている。

また、国民の力も今回の大統領選挙公約集で「デジタル資産の市場育成の時代を開く」としてトークン証券の法制化を明示した。ただし具体的な施行や制度設計に対する言及はなく、「トークン証券の法制化」という文言だけが簡略に含まれるにとどまっており、相対的に具体性が劣ると指摘されている。

その代わり、国民の力は仮想資産全般にわたる制度の整備に焦点を合わせている。仮想通貨の現物ETFの導入やステーブルコインに関する規律体系の構築、仮想通貨法の制定などの内容を公約として提示し、STOだけにとどまらずデジタル資産全体の拡張と制度的基盤づくりに重点を置いている。

業界では、与野党がともにトークン証券の法制化を公約として提示したことに対して期待感を示している。STOの業界関係者は「与野党がともにSTOの法制化を公約として掲げ、制度の整備に対する共感が形成されているという点が最も大きな進展」と述べ、「これまで制度が整っていなかったせいで萎縮していた市場に信頼と明確性を付与するきっかけになるだろう」と述べた。
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