<W解説>韓国から英BBCの「100人の女性」に選ばれた2人の功績(画像提供:wowkorea)
<W解説>韓国から英BBCの「100人の女性」に選ばれた2人の功績(画像提供:wowkorea)
各分野で大きな影響を与えた世界各国の女性を選ぶ、英BBC放送の今年の「100人の女性」が今月6日、発表された。韓国からは最大野党「共に民主党」の共同非常対策委員会のパク・チヒョン前委員長と、食品や生活用品、エンターテインメントなど幅広く事業を手がけるCJグループのイ・ミギョン副会長が選ばれた。

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 BBCでは2013年から毎年、世界の人の心を動かし、影響力ある女性を100人選んで発表している。これまで、「100人の女性」に韓国人では、2019年にキョンギ(京畿)大学犯罪心理学科のイ・スジョン教授、2020年に疾病管理庁のチョン・ウンギョン元庁長が選ばれた。

 今年の「100人の女性」に選ばれたパク氏は北東部のカンウォンド・ウォンジュ(江原道・元州)市出身の26歳。元社会活動家で、2019年7月に「追跡団花火」を結成し、韓国社会を震撼(しんかん)させた「n番部屋事件」を最初に暴いた人物として知られている。記者志望で、当時大学生だったパク氏らが潜入取材し、資料を韓国紙・ハンギョレ新聞に提供したことで事件は明るみとなった。

 「n番部屋事件」とは2018年12月から2020年3月にかけて、74人もの韓国人女性が性的な写真や動画の撮影を強要され、その動画や写真が通信アプリ内に作られたチャットルームで売買されていた事件。被害者には未成年者も含まれていた。犯人はSNSでアルバイトと称して女性を集めていた。このチャットルームは複数存在しており、それぞれ「1番の部屋」、「8番の部屋」と呼ばれたことから、事件は「n番部屋事件」との名称がつけられた。

 その後パク氏は、当時「共に民主党」の大統領選公認候補だったイ・ジェミョン(李在明)氏の目に留まり、同党の中央選挙対策委員会の女性委員会副委員長に抜擢された。大統領選挙期間中、パク氏はイ氏と遊説を共にし、イ氏の対立候補だった現大統領のユン・ソギョル(尹錫悦)氏を批判。「韓国の分裂と対立、そして嫌悪を助長する尹錫悦がこの国の大統領になることがあってはならない」と訴えた。

 李氏の大統領選敗退後、パク氏は非常対策委員会の共同委員長に抜擢され、一時、事実上の党代表に。党が抱える問題に対して繰り返し苦言を呈してきた。一方、20代と若く、政治経験がないまま同党に迎え入れられたパク氏は、歯に衣着せぬ発言で物議を醸したこともあった。今年5月には、野党に転落した同党について「586世代(60年代生まれで、80年代に大学に入学した学生運動経験者)の勇退など、若い民主党へと向かう道を歩まなければならない」と発言し、学生運動出身の「586世代」に当たる党指導部や所属議員らの怒りを買った。SNSでも批判を浴びたが、パク氏は「盲目的な非難、性的嫌がらせなどを含むメッセージがたくさん来た」と訴えたが、その後謝罪した。

 しかし、当時、韓国メディアからは「今、『共に民主党』は正しいことを言った人が謝罪しなければならない状況にある」と擁護する声もあった。また、5月に訪韓し、歓迎の夕食会でパク氏と歓談したバイデン米大統領は、「私も30歳の時に初めて上院議員になった。大統領になるまで長い時間がかかった。大きな政治家になってほしい」とパク氏を激励した。

 パク氏はその後、6月に行われた地方選挙で「共に民主党」が敗北したことを受け、非常対策委員長を辞任した。当時、「選挙終了と同時に『使い捨て』」とパク氏への同情論と共に、「共に民主党」への批判も上がった。

 8月の党代表選に出馬表明するも、「少なくとも6か月前に入党し12か月以内に6回以上党費を納めた権利党員だけが被選挙権を持つ」と定める同党の党規を理由に、同党はパク氏の立候補を認めなかった。現在は同党所属の議員の一人として活動を続けており、相変わらず舌鋒鋭く政権与党を追及している。

 パク氏を「100人の女性」に選んだBBCは、パク氏について「政治の改革家」と評価している。

 また、同じく「100人の女性」に選ばれたCJグループのイ氏は米ミシガン州出身の64歳。ソウル大卒業後、米ハーバード大大学院で学んだ才媛。CJグループの子会社でエンターテイメント事業を展開するCJ ENMの総括副会長も兼務しており、2020年のアカデミー賞で英語以外の映画として初の作品賞を受賞した韓国映画「パラサイト 半地下の家族」の総括制作者としても知られる。BBCはイ氏について「芸術の情熱的な後援者で韓流をリードしている。K-POPの世界的な成功の貢献者」と評価している。

 2006年にはアジア人で初めて「世界女性賞」を受賞。先月には韓流の世界に広げ、文化産業の発展に寄与した功績が認められ「国際エミー賞」も受賞している。

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