映画なのか?ドラマなのか?近頃、劇場街に行くと、正祖(チョンジョ)暗殺を描いた『8日』のポスターがかけられている。ロビーにあるスクリーンでも『8日』の予告編が上映されている。しかし『8日』は映画ではない。ケーブル放送チャンネルCGVで17日から初回放送される10部作ドラマである。

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『8日』は1本当たりの制作費4億ウォンに、映画監督(パク・ジョンウォン)の演出、迫真感溢れる事件展開などで、映画とドラマが一体となった“TVムービー”と呼ばれている。2000年からKBS 2TVドラマ『夫婦クリニック-愛と戦争』の演出を務めてきたクァク・ギウォンPDは、9月15日から“映画監督”に変身した。彼が演出する映画は、劇場版『愛と戦争』。現在、放送中の同ドラマの構成をそのまま移行し、映画として制作中だ。

<b>“TVムービー”のブラウン管攻略</b>
映画やドラマの境界が崩れている。これをはっきりと示しているのが忠武路(チュンムロ)映画監督たちのTV進出。彼らは、ケーブル放送で放送される4~10部作ドラマを制作しているが、テレビ界ではこれを“TVムービー”と呼んでいる。『8日』のパク監督は映画『われらの歪んだ英雄』『永遠なる帝国』を演出した。9日に初回放送された8部作『職場恋愛史』(OCN)は、映画『ボス上陸作戦』のキム・ソンドク監督が、1日に放送が終了した『セクシーモン』(チャンネルCGV)は、映画『高校教師 恋の教育実習(原題:夢精期2)』のチョン・チョシン監督が演出している。ユ・ジェワン、ポン・マンデ監督も“TVムービー”を準備中だ。

映画とTVドラマの違いは、映画は遠近感のためにドラマよりも3倍以上の照明を使用し、ドラマは人物中心のクローズアップ、映画は演出を強調した人物の動きを重視する。
また、画面の質感や大きさ、映像技法などでも違いがある。“TVムービー”はこのような映画とドラマの要素を調合したものだ。キム・ソンドク監督は「60%は映画方式で撮り、40%をドラマ方式で撮影する」と明かした。

地上派でもSBSドラマ『ロビイスト』やMBCドラマ『太王四神記』など、映画に劣らないスケールと映画的撮影技法を押し出したドラマが人気を博している。『太王四神記』でクァンミ城の城主チョロ(イ・フィリップ)が1人で大軍と戦うシーンは、映画『ロード・オブ・ザ・リング』を連想させるほどだ。

<b>“劇場版ドラマ”スクリーンへ</b>
一方、テレビ局では人気ドラマを劇場版として制作している。年内公開予定の劇場版『愛と戦争』では、夫の不倫によって問題が生じた家庭を守ろうとし、他の男性と関係を結ぶことになる女性の話が描かれた。主演を演じるイ・ジョンフンとイ・ジュナは『愛と戦争』ドラマにも出演している。

クァクPDは「ベッドシーンなど、テレビでは見られなかったシーンも入るが、基本的にドラマの既存の制作スタッフ、素材、形式をそのまま利用した」と明かした。
3月に公開された映画『オールドミスダイアリー』は、KBSのシットコム『オールドミスダイアリー』のキム・ソギュンPDが監督を務め、制作・上映された作品。『冬のソナタ』劇場版制作も推進中である。

MBCもドラマ『M』『捜査班長』『コーヒープリンス1号店』のような自社の人気ドラマの映画化を試みている。
映画『甘く、殺伐とした恋人』を制作したMBCプロダクションは、ドラマ制作スタッフを映画の照明と音響に活用した。1980年代の人気ドラマ『捜査班長』の場合、チェ・ブラムをそのまま班長として起用するべきか、若い主人公を起用するか、まだ検討中である。シム・ウナ主演の1994年ドラマ『M』の場合、映画『友へ チング』『愛』のクァク・キョンテク監督が脚本を手がけた。

シットコム『思いっきりハイキック』のキム・ビョンウクPDも、「『思いっきりハイキック』の劇場版制作を推進しながら、映画的演出や映画に合う形式を研究した」「人々が映画を観るようにドラマを観て、ドラマを観るように映画を観る傾向があるようだ」と伝えた。

<b>視聴者たちは“映画”と“ドラマ”を区別しない</b>
映画とドラマが“似たり寄ったり”になったことから、視聴者もあえて2つのジャンルを区別しない姿勢だ。
視聴者キムさん(32)は、「ハリウッド映画『バイオハザード』『スパイダーマン』などはシリーズで制作され、米ドラマも各話が映画みたいで、特別な違いはない」「ドラマでも映画でも、視聴者にとってはストーリーとして記憶されるだけ」という。
ドラマ『ごめん、愛してる』や『ありがとうございます』の作家イ・ギョンヒさんも、「ドラマのナラティブ(narrative)と映画のナラティブの違いが消えかかっている」と明かした。

メディア環境の変化もこのような現象を加速化させている。
梨花(イファ)女子大学デジタルメディア学部イ・インファ教授は、「以前はドラマと映画に対する期待値が異なっていたが、今はTV、PC、DMB、PMPなど、様々な媒体で同一のコンテンツが流通しており、使用者にとって映画とTVドラマの区別自体が無意味になった」「こうした現象はもっと深刻化するはず」と伝えた。

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