北朝鮮軍、朝鮮戦争時退却中に宗教関係者1145人虐殺=韓国報道(画像提供:wowkorea)
北朝鮮軍、朝鮮戦争時退却中に宗教関係者1145人虐殺=韓国報道(画像提供:wowkorea)
朝鮮戦争当時、南侵した北朝鮮軍が退却しながらも、キリスト教関係者約1000人を虐殺したという調査結果が出た。これを調査した研究チームは、こうした虐殺はキリスト教と対立し「宗教抹殺政策」を取ってきた北朝鮮側の公式的な指示によるものと分析した。

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 22日、研究報告書「朝鮮戦争前後のキリスト教弾圧と虐殺研究」によると、当時、北朝鮮軍によってキリスト教関係者1145人(プロテスタント1026人・カトリック119人)が犠牲になった。この研究報告書は「第2期真実・和解のための過去史整理委員会」が、ソウル神学大学神学科のパク・ミョンス名誉教授研究チームに依頼して出されたものだ。

 同研究チームは昨年8月から12月にかけて、文献調査や関連者の証言、被害教会への訪問などで、犠牲者リストを確保したと説明した。

 報告書によると、こうした虐殺は国連軍のインチョン(仁川)上陸作戦直後、1950年9月26日、北朝鮮側が「反動勢力を排除し、退却せよ」と命令したことによって行われた。北朝鮮軍は同月27~28日、韓国中部のチュンチョンナムド(忠清南道)ノンサン(論山)郡にあったビョンチョン(餠村 )教会で、教会自体を敵対勢力と見なし66人を射殺した。教会があった論山郡ソンドン(城東)面だけで、キリスト教徒を含め120人が殺害された。

 同月27日には、北朝鮮軍が韓国南部のチョルラプクト(全羅北道)チョンウプ(井邑)警察署に監禁された長老と右翼500人のうち350人を留置場に閉じ込め、その中の167人を燃やして殺害した。150人は村の廃鉱で集団虐殺し、土に埋めたという。この他、チョルラナムド(全羅南道)ヨングァン(霊光)郡のヨムサン(鹽山)教会やヤウォル(野月)教会、ヨンアン(霊岩)郡のメウォル(梅月)教会、クリム(鳩林)教会などでも集団虐殺が行われた。地域別では忠清南道、全羅北道、全羅南道の虐殺被害が最も大きかった。

 これについて同研究チームは、こうした集団虐殺が、キリスト教信者を「不純勢力」と定め、弾圧しようとした北朝鮮側の政策によって起こったものと見ている。

 同研究チームは「共産主義とキリスト教は日本の統治中にも対立を続け、解放以降は新しい国家を建設する中で鋭く対立した。朝鮮戦争の時期にキリスト教の弾圧を本格化し、特に退却する中でプロテスタント教徒を集団で殺害したケースが多かった」と述べた。つづいて「朝鮮戦争時に、共産主義に否定的だったカトリック教徒も、個人や集団での被害事例が少なくなかった」と付け加えた。
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