毎年1冊出版するという約束を守るため、この本を中心に生活してきたという塩野さんは「今は頭がからっぽの状態。確実なのは来年からは本を年に1冊出さなくてもいいということと、夏休みが取れるということ。どこに行くには未定だがこっそりといくつもりで、韓国に行くかもしれない」と話した。
塩野さんは作品執筆の契機について、1つの宗教だけを信じる一神教、キリスト教とイスラム教の世界になった中世以降、両者の緊張関係が高まり相手の存在を認めないようになったと指摘し、宗教がなかったころの人たちはどう生きていたのか考えたためだと紹介した。すべの人間には存在する理由があり、人は互いに尊重する義務があると力説する。韓日関係も同様で、「隣国とは戦争さえなければうまくいく」と話し、独島問題を例に挙げた。日本では「竹島」韓国では「独島」と呼ぶことからして両国の歴史認識が異ならないわけがないと説明した。歴史認識を共有することは不可能だが、それぞれの視点で問題を分析した本を出版しそれぞれが読めば、相手の立場を理解することができると強調し、宗教的な熱狂とナショナリズムを排除し冷静に妥協点を探せば、どのような問題でも解決できると主張した。そうした視点から、これまでキリスト教信者の欧州人の立場からみたローマ史だけが存在していたが、キリスト教を信じない非欧州人である自身の著作も、読者が選択できるようにする必要があると話した。英語出版本の出版に対する意欲も示した。
また韓日関係に関連しては、「政治家は政治を行い、歴史家は自身が知らないことについて話してはならない」とし、韓国の大統領、日本の首相が歴史を語る必要はないと述べた。
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