世論調査結果の公表が禁じられる前の13日までをみると、朴氏が誤差の範囲内ながらも文氏をリードしてきた。しかしその後、少数野党・統合進歩党の李正姫(イ・ジョンヒ)候補の出馬取り下げ、両氏によるテレビ討論、情報機関・国家情報院の職員による違法選挙運動疑惑とこれを事実無根とする警察の捜査結果発表などがあった。このため、選挙情勢は一段と混とんとしてきた。
選挙の専門家は投票率が勝敗のカギを握ると指摘している。過去の選挙と同様、投票率が高ければ野党有利で、低ければ与党有利とされる。今回は70%を投票率の目安とする意見が大勢だが、事実上の「第3の候補」が不在で与野党候補が激突するだけに70~73%の投票率を予測する声も出ている。
韓国社会世論研究所のユン・ヒウン調査分析室長は「50~60代の投票率はある程度安定している。そう仮定すれば、20~30代の投票率が全体の投票率はもちろん、勝敗を左右する」と話す。
◇正反対のルートで選挙戦締めくくり
この日午後、朴氏は釜山駅前での街頭演説で「野党の主張する政権交代は失敗に終わった盧武鉉政権に戻ること。私が大統領になれば、新しい時代を開く。国政運営のパラダイムを国家中心から国民の幸福中心に完全に転換する」とアピールした。
朴氏は午前の記者会見で、「国政を把握し適応するのに1年、2年かかるような不安な政権ではなく、直ちに国政を率いて課題を解決する準備ができた候補者を選んでほしい」と訴えた。
一方、文氏はソウル駅での演説で国家情報院職員による違法選挙運動疑惑などに触れ、「国家情報院や検察、警察が不法選挙に加担し、政府も総出動している感じがする。韓国が民主化を成し遂げてから最悪の官権選挙であり、セヌリ党政権の最後のあがきだ」と与党を批判した。
文氏は午前の会見で「セヌリ党はこれ以上、国家代表だと言う能力も資格もないことが立証された」と強調。「自分の暮らしをより良くする最も確実な方法は投票だ。行動する良心、目覚めた市民になってほしい」と支持を訴えた。
朴氏はソウル・光化門広場での街頭演説などで22日間の選挙戦を締めくくった。文氏は逆に釜山駅前での演説で最後のアピールを行った。
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