同日の討論会は大統領選前の最後のテレビ討論会となった。1、2回目の討論会に出演していた少数野党・統合進歩党の李正姫(イ・ジョンヒ)候補が出馬を辞退したため、朴、文両氏による1対1の討論が繰り広げられた。討論の結果は浮動層の動向や投票率に影響を与えると予想される。
両氏は、情報機関・国家情報院の職員による違法選挙運動疑惑、少子高齢化対策、大学授業料の負担緩和、教育制度などについて激しい議論を交わした。
朴氏は、国家情報院の女性職員が文氏を中傷する書き込みをインターネット上に掲載したという疑惑について、「文候補は自ら人権弁護士というが、今回の事件で生じた人権侵害については一言も触れず、謝罪もしていない」と指摘した。
これに対し、文氏は「その事件は捜査が行われており、朴候補の発言は捜査介入だ」と反論した。セヌリ党関係者が運営する違法選挙事務所で、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)を通じた違法選挙運動事件が起きたが、この事件をうやむやにするための発言ではないかと攻撃した。
大学授業料の負担緩和については、朴氏が「学生らが授業料のせいで苦痛を強いられている。前政権で、大学授業料が国公立は51.7%、私立は35.4%それぞれ高騰し、現政権では4%増加した」と指摘。文候補に対し、「学生と保護者らに大きな苦痛を与えたことについてまずは謝罪すべきだ」と述べた。
文氏は「大学教育の競争力強化を優先していたので授業料が増えた。これについては何度も謝罪した」と説明した。その上で、現政権は5年間、授業料半減の要求を黙殺してきたのではないかと問い返した。
教育制度の改善については、朴氏は「行き過ぎた競争と入試中心の変質した教育を変えることが重要だ」との考えを示した。文氏は「過去5年間、セヌリ党政権が教育を完全に台無しにした」と批判した。
朴氏は討論会終了前の発言で、「文候補は政権交代を主張しているが、(現政権は)4年前にすでに評価を受け、特に経済問題のせいでこれ以上耐えられないという理由で現政権が誕生した」との見解を示した。また、「私には面倒をみなければならない家族も、財産を譲る子どももなく、国民が家族だ。子どもを飢えさせない母親の心で、国民が皆幸せな大韓民国を必ず築く」と述べた。
文候補は「李明博(イ・ミョンバク)政府の失敗を反面教師にする。何よりも国民と疎通し、共に歩む大統領になり、考えが異なる方々とも対話する。派閥はもちろん政党や理念を越え、大統合内閣を構成し、統合の政治を行いたい。国民が政権交代で新しい政治、新しい時代を切り開くことを要請する」と述べた。
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