金桂官氏(資料写真)=(聯合ニュース)
金桂官氏(資料写真)=(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】かつて北朝鮮の対米外交の主役だった金桂官(キム・ゲグァン)前第1外務次官が「外務省顧問」として久々に表舞台に登場した。金氏は27日に出した談話で、トランプ米大統領の北朝鮮に対するアプローチが過去の米大統領とは異なり大胆で政治的決断力があると評した上で、「今後、トランプ大統領の賢明な選択と英断に期待したい」と述べた。 金氏は第1外務次官だった昨年5月、シンガポールでの米朝首脳会談を控えて談話を出し、北朝鮮の非核化終了後に米国が制裁緩和など相応の措置を取る「リビア式」核放棄を取り上げた当時のボルトン米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)を非難した。その後、崔善姫(チェ・ソンヒ)外務次官がペンス米副大統領の発言を非難したことで、トランプ大統領が米朝首脳会談の中止を発表すると金氏は再度談話を発表し、「われわれはいつ、どのような方式であれ、対座して問題を解決していく用意があることを米国側に今一度明らかにする」と呼びかけた。 その後、金氏の名は今年3月に最高人民会議(国会に相当)代議員に選出された際を除けば、北朝鮮メディアに登場しなかった。今年4月に金氏の後任に崔氏が任命されるとともに、外交委員会のメンバーにも金氏の名前がなく、事実上引退したとの見方が出ていた。 こうした中、金氏は名誉職の顧問ではあるが、困難な状況に陥った際は豊富な対米外交の経験を生かし、北朝鮮の「スピーカー」の役割を果たす可能性があることを示した。 金氏が顧問に就任したのは、金正日(キム・ジョンイル)政権で始まった非核化を巡る米朝協議で中心的な役割を果たした経験を買われたためとみられる。 金氏は1993年、北朝鮮の核兵器不拡散条約(NPT)脱退宣言で始まった核危機の中、米朝高官級協議の次席代表として対米外交の舞台にデビュー。1997~99年の韓国、北朝鮮、米国、中国による4カ国協議では北朝鮮代表を務めた。北朝鮮の核問題を巡る6カ国協議では北朝鮮側の首席代表として、核放棄を表明した2005年の共同声明の策定に関与した。
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