俳優ユ・アイン、エッセイの最後。



※以下、直訳。



しかし、不便ではなかった。 母に対して私が感じるように死ぬほどのぎこちなさとくすぐったい心が残るだけ。



ソウルに住む間、1年毎に引っ越しで転々としながら遭ってきた記憶にも残らない私の部屋の1階のコンビニのおばさん、おじさん、アルバイトの人々。 私の母よりも頻繁に私を迎えてくれたその人々。



多分、初めてその人々の中、一人の挨拶を本物だと信じてしまったのかも知れない。



ぼかしてありがとうという言葉を残し、私は急いでコンビニを出た。 その日、ドアに付いていた鈴がより騒がしく揺れた。



私には覚える必要もない音。ちりんちりん。 娘さんにもう少し近いママに戻っていくコンビニのおばさんに、その鈴の音がどのぐらいつらい思い出なのか、敢えて推測してみる。



昨夜、タバコを買いに行った時、同じ時間であれば元々灯が消えているはずのコンビニがそんなに惜しかったのは、横断歩道を渡らなければならない不便のためではなく、この慌ただしい世の中で12時になると閉まる便利ではないそのコンビニのおばさんの凄く不便だった優しさのせいだったと思う。



後頭部がくすぐったい過剰な親切を享受していた生活をしばらく絶たんで、夜になると洗ってもなに髪に帽子一つを載せて、ぶらぶらタバコを買いにいく通常の生活の中で、私は再びそのような不便な優しさを感じることができるだろうか。



それがどのぐらい些細でありながら胸を熱くする幸運だったのか。



(終わり)

2019/01/24 15:36 配信
From SNS