<b>敏感な質問には“ノーコメント”</b>

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ダンス歌手“ユ・スンジュン”と、コリアン・アメリカン“スティーブ・ユ”。2つの名前の分岐点は、彼の米国市民権取得から始まった。

1997年『悪夢』でデビューし、『ナナナ』『熱情』『見つけてほしい』といったヒット曲を世に送り出し、男性ダンス歌手の代名詞とまで言われたユ・スンジュン(30)。しかし、「必ず軍隊に行く」というファンとの約束を破り、米国市民権を得て兵役を免れた彼は、2002年2月以降、韓国の地を踏めずにいる入国規制対象者である。

その日以降、強烈なカリスマのダンス歌手ユ・スンジュンは、どこにも見られなくなった。彼は米LAで、10年間交際していた恋人と結婚し、新婚生活を楽しむコリアン・アメリカン“スティーブ・ユ”になった。彼の“第2の人生”が始まったようだった。

しかし「生まれながらの才能は隠せない」という言葉と共に、彼は4年ぶりにダンス歌手ユ・スンジュンとして帰ってきた。“スティーブ・ユ”ではなく、“ユ・スンジュン”という名で活動を宣言した彼の舞台は中国。来週、中国デビューアルバム『Promise of Jun』をリリースする彼は、先月31日に中国・北京の王府井ホテルで、100社余りの中国メディアを招き、ショーケースを行った。

韓国のインターネット上では、彼の近況を知らせる記事の下に数百の非難の書き込みが綴られている。中国進出に対し「どうにか韓国に再進入しようとしているのではないか」という疑惑も多い。彼と韓国ファンの関係は、4年が過ぎても進展はない。

ショーケースのため北京に滞在しているユ・スンジュンに、先月30日、40分間の電話インタビューを行った。彼としては、4年ぶりの韓国メディアとの接触だ。彼の声は意外にも明るかった。中国進出に対する期待と、“あの事件”をどうにか忘れようとする力が混在しているようだった。

-4年ぶりに中国で、歌手としてカムバックする心情は?
「カムバックとは、ハハハ。何もかもがなじめず寂しいですね。過去に韓国でアルバムを出した時は、全てが定められていて、その道だけを進めば良かったけど、今はどうなるかわからない状況で不安です」

-もう30歳ですが、依然の強烈なパワーが消えていないか、不安は?
「何をおっしゃる。僕はまだ誕生日(※彼は12月生まれ)を迎えていないので、29歳です。情熱的でカリスマ溢れるステージは健在ですよ」

-なぜ中国進出を?
「中国進出は、以前、韓国で歌手活動していた時、中国でコンサートをやったことがきっかけになりました。中国のレーベルがずっと連絡をくれていて、韓国で活動できない状況であることから、韓国に近い中国を選んだんです」

彼は中国進出を決意し、1年がかりデビューアルバムを作った。韓国出身の新人作曲家たちと共に制作した今回のアルバムは、タイトル曲『天大地大』をはじめとした書下ろし3曲と、『見つけてほしい』『熱情』といった過去のヒット曲7曲、全10曲が収録されている。彼は、「自慢じゃないけど、中国語は5ヶ月勉強して、ある程度の意思疎通までできるようになりましたよ」と笑う。

彼は、韓国を完全に忘れたのだろうか?
その質問に彼は「最終的な夢は、韓国の地を踏むこと」と語った。

「今、僕は根っこがない木と同じです。僕は韓国を、僕の祖国、僕の母国だと思っている。僕がアメリカの市民権を持っているからといって、誰も僕をアメリカ人とは思いません。僕は、ワールドカップの試合を見る時も、いつも韓国を応援します」

-では、韓国内の非難の声をどう思いますか?
「今、僕にできることはありません。僕は法的に、韓国への入国が不可能です。国内活動自体が不可能なので、“中国進出は結局、国内進出のためではないか”というのも、お話になりません。ただ、中国活動によって、国威を宣揚するという思いで、韓国の方々が僕をもう少し寛大に見てくれたらと思います」

-そんなに韓国が好きなら、再び韓国籍を取得したり、軍隊に行けばいいのでは?
「それは・・・・・ (しばらく考えたあと)ノーコメントです」

-米国市民権取得を後悔したことは?
「(しばらく考えて)・・・・・ノーコメントです。ただ、僕自身が失敗したとか、苦難の道を歩いているとは思いません。今、僕を取り囲んでいる否定的な意見に対して、より大きな破壊力ではね返さなければ、僕の人生は終わると思って、常に肯定的に考えてきました」

彼は4年間、アメリカでインターネットを通じ、韓国音楽に触れてきたという。最も多く耳にした歌手は、当然Rain(ピ)とSE7EN(セブン)。2002年に彼が去った後、男性ダンス歌手の後を継いだ2人の後輩を見て、彼は何を思っただろうか?

「そうでなくても、中国ではRainやSE7ENとよく比較されます。Rainがいるなら、僕は“雲”だと思いますね。僕が存在する前に、ソ・テジ&ボーイズ(ソテジ・ワ・アイドゥル)やDEUX(デュース)が存在したように、今の韓流も、頼もしい先輩たちがいたからこそ、後輩が活動できるんだと思います。僕も、昔は僕がすごいから人気歌手になったんだと思っていたんですが、それは錯覚なんです」

-インターネットに載る記事は見ていますか?
「最近は見ています。最初の2年間は、パソコンの近くにも寄れませんでした。だけど、今は多少なりとも僕を支持してくれる人がいるので、勇気が湧きます」

-韓国国家、韓国の人々を恨んでいますか?
「どうしたら韓国を恨めますか?僕を叱咤してくれる人たちは、僕を信じて愛してくれたから、そのぶん失望も大きかったんだと思います。そういう人たちも、僕のことが本当に嫌いになったんだとは思いません。今でも、僕は韓国人です。僕の最終的な夢は、韓国に帰ることです」
韓国で歌い、踊りたいが、韓国活動のための“決断”は下せないユ・スンジュン。彼の願い通り韓国の地を踏めるまでには、まだまだ長い時間が必要なようだ。


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