ロサンゼルスで記者会見に臨む脱北者ら。身元が明らかになるのを防ぐためサングラスと帽子で顔を隠している=ロサンゼルス、23日(聯合)
ロサンゼルスで記者会見に臨む脱北者ら。身元が明らかになるのを防ぐためサングラスと帽子で顔を隠している=ロサンゼルス、23日(聯合)
米国から難民認定を受けて亡命した脱北者6人が23日、ロサンゼルスで記者会見し、脱北したいきさつと中国で経験した惨状について証言した。1時間50分にわたる会見で、脱北者らは飢えに耐えられず中国に渡ったが、そこで人身売買や性的暴力、殴打などを経験したと証言した。

 最初に証言したのは、男性2人、女性4人のうち最も若いチャンミ(仮名)さん。2003年に北京で逮捕され北朝鮮に連れ戻されたが、未成年者であるため釈放されたという。その後再び北朝鮮を脱出し、2万元で売られ強制的に結婚させられた。そのため脱出して韓国行きを図っていたが、2004年に北京で捕まり再度北朝鮮に送還された。北朝鮮の収容所では食べ物がなく、拷問を受けたりしたと明かした。刑期を終えずに死亡した収容者を「二重に罪を犯した」として骨を折って埋めるのを目撃したという。

 芸術体操の教師として働いていたハンナ(仮名・女性)さんは、軍で働いていた夫の事故で家計が苦しくなり、娘にスポーツウェアを買ってあげたいとの一念で国境を越え中国で働いていたが、途中で中国の人身売買団体に連れて行かれたと証言した。やはり2万元で売られ、瀋陽の中国人家庭で地獄のような生活を送ったという。四六時中殴られ続けても反論もできず、治療も受けられなかった。ここで娘を産んだが、公安につかまりそのまま生き別れになった。

 別の脱北者は米国への亡命を決断した理由について、米国なら家族を守ってくれると信じており、韓国に亡命した脱北者が否定的なイメージから就職も容易ではないと聞いたからと答えた。また、祖国と民族を愛してはいるが、ゆがんだ政治体系や経済難のため生きていくのが困難だったと決断の背景を述べた。

 脱北者の米国亡命を支援したトゥリハナ宣協会の千ギ元(チョン・ギウォン)牧師は、中国・瀋陽に滞在中の脱北者問題に対し、彼らの亡命まで認めた場合には韓国内の脱北者も同じように処理しなくてはならないため米国が悩んでいると指摘し、具体的な結論は今のところ分からないと述べた。

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