チョン・ドヨン=5日、ソウル(聯合ニュース)
チョン・ドヨン=5日、ソウル(聯合ニュース)
”カンヌの女王”チョン・ドヨンは、現在最も頭角を現している女優のひとりだ。「今までの韓国人俳優の中で、最も偉大な俳優になる可能性が高い」と評価する映画評論家もいる。全身で感情を発散したかと思えば、目つきだけで観客の心をとらえる、彼女の演技にほれ込むファンも多い。

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 「素敵な一日」(2008年)以降2年ぶりの映画『下女』でも、チョン・ドヨンはスクリーンを掌握している。共演したベテラン女優のユン・ヨジョンも、その演技を「すばらしい」と称賛した。

 だが、ソウル・光化門のカフェで5日に会ったチョン・ドヨンは、自分の演技はまだ未熟だと語った。「本当の演技はこれから」だという。
 俳優とは体と心で何かを表現する人だが、「下女」では露出シーンで少し負担もあった。映画の流れ上、露出シーンは自然なものだったが、やはり負担を感じた。撮影は終わったが、まだその部分が課題として残っているとし、「良い女優になるには常に自身を捨てなければ」と語った。


 チョン・ドヨン演じる主人公のウニは大邸宅の家政婦。主人のフン(イ・ジョンジェ)と不倫関係になり子をもうけるが、結局は捨てられる悲運の女性だ。
 彼女は、最初はウニという女性を理解できず苦労したと明かす。一貫性のないあいまいなキャラクターで、「一体なぜ?」という質問が付きまとい、自分を責めるほどだった。だが、演じながらウニを徐々に理解でき、苦痛も和らいでいった。

 イム・サンス監督の『下女』は、故キム・ギヨン監督が1960年に制作した同名映画をリメークした作品だ。登場人物を通じ、中間層が崩壊し所得格差が進んだ韓国社会の荒れ果てた風景を描いている。

 チョン・ドヨンは名作のリメークに出演したことに対し、好評を得た作品だが、時代的な背景が全く違うため、特にプレッシャーはなかったと語る。むしろ、イム監督との仕事を楽しみにしていたという。

 映画は12日(現地時間)に開幕するカンヌ国際映画祭のコンペティション部門にノミネートされた。チョン・ドヨンは2年前、『シークレット・サンシャイン』で同映画祭主演女優賞を受賞している。

 チョン・ドヨンは、「これからは少なくとも演技でうそはつきたくない」と語る。自然で正直な演技がしたいという。「感じたままに自然に振る舞えば、カメラは正直にそれを見せてくれます。そこからくる感動は大きいでしょう。それなのに、つい演技をしようとしてしまいます。演じれば格好よくは見えるかもしれませんが、真の気持ちがにじみ出ない。何かを表現しようとする習性が残っているのですが、捨てるものが本当に多いです」。

 最後にまねしたい俳優を尋ねると、「ただ女優のチョン・ドヨンとして残りたい」と笑った。



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