このポスターは、平壌第一百貨店前に設定された、コンピューター数値制御(CNC)の宣伝ポスターで、昨年4月に開催された大規模花火大会「祝砲夜会」のようすと長距離ロケットの絵柄に、「CNC」「世界に向けて」という言葉が大きく書かれている。
北朝鮮は、ジョンウン氏が後継者に内定したとされる昨年を、「変があった年(大きな変化があった年)」と主張。故金日成(キム・イルソン)主席の誕生日(4月15日)を迎え大同江で開催した祝砲夜会をその成果のひとつに数え、これを「明るい未来」と結びつけ、住民に対し、ジョンウン氏の業績と強調している。祝砲夜会はジョンウン氏が自ら企画、推進したと伝えられる。
また、昨年4月に人工衛星「光明星2号」と主張し長距離ロケットを打ち上げたが、住民対象の講演などで、この現場をジョンウン氏が参観したとし、これも同氏の「先軍業績」として宣伝している。
さらに北朝鮮メディアは、ジョンウン氏が後継者に内定したとされる昨年8月から、全産業施設で本格的にCNC化が進められていると報じるようになった。これもまた、今後、ジョンウン氏の功績として活用される可能性が高いとの見方が出ている。
このため専門家らは、祝砲夜会、長距離ロケット、CNCという象徴が組み合わさったこの宣伝ポスターは、北朝鮮の次世代指導者・金ジョンウンの位相を高めようという意図で製作された可能性があると分析する。このポスターは、第一百貨店以外にも流動人口が多い平壌駅前など、市内各地に設置されているという。
ほかの写真には、平壌の中心部に位置する玉流橋で焼き栗を売る女性、平壌市民の代表的交通手段、無軌道電車(トロリーバス)の姿が収められている。
定められた市場以外での取引は違法で、橋の真ん中で商売する女性は、客がすぐそばにいながら、周囲の目を気にしている。市場に依存し生計を維持する多くの北朝鮮住民と、これを統制する当局間の緊張感が感じられる。また、トロリーバスは最近新たに開発したという新型車両で、車体には「人民のため服務する」、窓ガラスには「試験研究車」と書かれており、いまだ広く普及した車両ではないことがうかがえる。写真提供者によると、このトロリーバスは唯一の試験車で、2012年までに平壌市内の全車両が新型に変わる計画だという。
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