報告書は、「2012年以降、北朝鮮には金総書記が存在しない可能性が高い」としながら、金総書記以後の北朝鮮では、軍部クーデターのような権力指導部の変動、住民騒乱や暴動、大量虐殺、大量難民など急変事態が発生するがい然性があるとの見方を示している。
「ポスト金正日」時代の北朝鮮権力構図については、後継者に内定したとされる三男ジョンウン氏への世襲体制維持、軍部中心の集団指導体制の登場、軍部実力者による1人統治の、3つの可能性を提示した。
ただ、世襲体制維持の場合も、ジョンウン氏が年齢的に若く経歴も乏しいことから、政局は後見人の張成沢(チャン・ソンテク)朝鮮労働党中央委員会行政部長を中心に運営されるだろうとしている。後継構図が完成されていない状態で金総書記が死亡した場合は、ジョンウン氏ら直系の家族を排除し、国防委員会中心の集団指導体制や、朝鮮労働党中心の指揮体制が構築される可能性が高いが、これも長続きはせず、結局は1人の有力者に権力が渡ると予測した。
さらに報告書は、北朝鮮はこうした急変事態の中、内部の混乱を抑圧し不満を外部に向けさせるため、朝鮮半島で局地戦をしかけてくる可能性があると警告する。
また、万一、北朝鮮住民による組織的なデモが発生すれば、指導部が大量虐殺を図り、そうした指導部の支持を党と軍隊の下部組織が拒否することで、北朝鮮政権が急速に崩壊する可能性もあると述べている。
こうした状況に韓国が介入すれば、国際社会の論争を招きかねないと指摘し、急変事態の際は北朝鮮内政に干渉しないという原則を明示し、北朝鮮の自己解決を尊重すべきだと助言。ただ、大量虐殺の事態となれば、人道主義の次元から制限的な介入が可能だとする立場程度は維持すべきだとした。
また、ジョンウン氏が近く、朝鮮労働党の2大重要組織、組織指導部と宣伝扇動部で副部長などの職に就き、党と政府の統治を目指すとの見方も示した。
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