【ソウル20日聯合ニュース】大検察庁(最高検察庁に相当)は鄭相文(チョン・サンムン)元青瓦台(大統領府)総務秘書官が複数名から数億ウォンの金品を受け取った疑いを新たにつかみ、19日午前0時10分に再度逮捕し、取り調べを進めている。
 検察は、鄭秘書官が管理する複数の借名口座に数度にわたり数億ウォンが入金されていた手がかりを見つけ、鄭秘書官個人に対する賄賂(わいろ)か、盧武鉉(ノ・ムヒョン)前大統領に渡るものだったのかなど、この金の性格を捜査している。特に、朴淵次(パク・ヨンチャ)泰光実業会長が2006年8月に渡した3億ウォンがそのまま残っていることが明らかになり、「鄭元秘書官に朴会長から3億ウォンを借りるよう指示し、わたしが青瓦台で受け取り債務の返済に使った」という権良淑(クォン・ヤンスク)盧前大統領夫人の供述はうそだったことが確認されたと明らかにした。
 検察は9日に朴元秘書官を逮捕。大統領官邸に渡った100万ドルのほかに朴会長から受け取った百貨店商品券1億ウォン相当と現金3億ウォンは、鄭元秘書官個人のものと見ていた。しかし、権良淑夫人は自身に対する裁判所の令状実質審査の際、自分が朴会長から受け取った100万ドルと3億ウォン、鄭大根(チョン・デグン)前農協中央会会長から受け取った3万ドルは、すべて自身が債務返済用に借り受け使用したとする陳述書を提出した。検察が請求した鄭元秘書官の拘束令状は、裁判所に棄却された。中央捜査部の洪満杓(ホン・マンピョ)捜査企画官は、鄭秘書官の嫌疑を減らそうと権良淑夫人が虚偽の供述をしたものだったと説明した。
 検察は、借名口座にある数億ウォンの出所を把握し、金品提供者の確認を進めている。一部金額が譲渡性預金証書(CD)に変えられた形跡もあり、用途を追っている。また、鄭元秘書官が2004年3月に娘婿だった海運会社理事から税務調査で便宜を図るよう頼まれた際に受け取ったとみられる現金1億ウォンについても、これら借名口座に入金された可能性があるとみている。
 このほか検察は、盧前大統領の長男、建昊(ゴンホ)氏が関与する外貨送金取引内訳を金融情報分析院から入手し、分析を進めている。建昊氏が提出した米国の銀行口座には含まれていない項目があることが分かっている。これを受け検察は、20日に建昊氏の5度目の事情聴取を行う。盧前大統領の姪(めい)の夫、ヨン・チョルホ氏が朴会長から送金を受けた500万ドルについて、建昊氏がヨン氏と事業を共同運営する形で全般的に支配力を及ぼしたと最終結論を出す予定だが、この500万ドルは盧前大統領への賄賂と見ており、司法処理はしない方針だとしている。
 検察は鄭元秘書官、建昊氏ら周辺人物の捜査をすべて終えた上で、早ければ今週後半か週末ごろ、盧前大統領に出頭を求める計画だ。
 一方、盧前大統領側は「具体的なことはさらに確認しなければならないが、検察がそのように(夫人が虚偽の供述をしたと)話しているのは理解できない。常識的に、自身とまったく無関係の金を受け取ったと言うはずがないではないか」とコメントしている。
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