世宗証券売却の不正疑惑、泰光実業会長を取り調べ

【ソウル10日聯合】大検察庁（最高検に相当）中央捜査部は10日、世宗証券（現NH投資証券）売却をめぐる不正疑惑と関連し、泰光実業の朴淵次（パク・ヨンチャ）会長を被疑者として出頭させ、取り調べを行っている。検察は朴会長の容疑が具体化し次第、拘束令状を請求するとみられる。
　検察が明らかにしたところによると、朴会長は2005年6月から12月の間に当時農業協同組合（農協）中央会会長だった鄭大根（チョン・デグン）氏から農協が世宗証券を買収するとの内部情報を得て、世宗証券株を大量に取得、200億ウォン（約13億円）台の利益を上げた疑いが持たれている。

　検察は、農協の子会社ヒューケムスを入札価格より322億ウォン安い価格で買収した過程で朴会長が鄭氏に20億ウォンを渡し、後に鄭氏が返した事実を確認し、20億ウォンが便宜を図ってもらう目的で渡されたのかについても集中的に調べている。また、朴会長は香港に現地法人を設立後、800億ウォン台の配当収益を上げながらも200億ウォン台の所得税を脱税したとされている。検察は、脱税や外国為替管理法違反などの容疑で刑事処罰が可能かどうかも検討を進めてきた。

　そのほか、朴会長が農協の子会社で国内最大の肥料会社、南海化学の買収を推進する過程でロビー活動を行ったという事実関係を把握する一方、盧武鉉（ノ・ムヒョン）前大統領の実兄の盧建平（ノ・ゴンピョン）氏（拘束済み）が朴会長所有のリアルアイディーテクノロジー社の株式10億ウォン分を買い入れる際に内部情報を提供したかについても調べている。