※このインタビューは2004年6月30日のものです。

いつの間にか19歳。14歳でデビューした“少女歌手” BoA は今、大人への岐路に立っている。既に韓国と日本を代表する歌手となったBoA は、去る2月にはグローバルミュージックチャンネルのMTVアジアから「アジアで最も影響力のある歌手」に選ばれ、アジアの代表歌手として認められるなど、既に10代で大仕事を成し遂げた。BoA の二十歳が目前となる初夏、ソウルの清譚(チョンダム)洞のあるカフェで、彼女の新作アルバムと二十歳について語り合った。


#少女と女性の間

「セクシーだと言われるとうれしいけど、まだちょっとしっくりきません」

BoAの変身への好評がプレッシャーに感じるようだ。しかしBoAは、「タイトル曲『My Name』は、ファンタスティックで女らしい曲です。ダンスも腰を使う動作が多いので、セクシーだと言われてるようです」と自分なりの分析を聞かせてくれた。

実際、バックダンサーチームと一緒に日本で一週間、有名な振付師、竹内あやから指導を受けた、激しくセクシーなダンスは、BoAにそういったイメージを植えつけるのに十分だった。また、豊かな長いウェーブの髪にシフォンドレスを着て、はにかんだ笑顔のCDジャケットは、一層大人っぽさを増している。また、ミュージックビデオでミニスカートを着て這うという挑発的な姿も話題となった。

BoAはこれを“少女と大人の間の姿”と説明する。

「かわいくてキュートなイメージに飽きると思ってイメチェンしました。10代最後の姿を見てもらおうと思ったんです」

あどけなさが無くなってきたのもその理由である。BoA は、日本アリーナツアーに備え、練習に励んでいるため食欲もなくなり、余り食べられなかったという。その上、先頃ツアーを終えてすぐに韓国に戻り、収録に臨むという強行軍を行っているうち、体重が随分減った。また、体力をつけるためヨガなどの運動も頑張っており、自然にダイエットと運動の効果が出てきた。加えて、韓国ではBoA はハツラツとしたイメージで捉えられているが、日本ではもう“少女歌手”ではない。そのため、韓国と日本でのイメージを同一化しようという意見が多く、それも考慮に入れてのことだそうだ。

BoAは、二十歳になったら一番最初にやりたい事として「運転免許を取ること」をあげた。「自分ひとりの力でどこかに行ってみたい」と10代らしい発言。この他、衣装や宝石デザインの勉強もしてみたいとか。
 
では、彼氏についてはどのような考えをもっているのだろうか。「彼氏は芸能人より、心の合う平凡な人がいいです。背が高くて小顔の人が好みですね。お腹が出た人(本人の表現ではお腹にベルトを引っ掛けた人)は嫌です。」と語った。


#私の歌の主体は私

BoAは、今回のアルバムの完全な主体となったことにも満足感を表わした。

『My Name』は2番目のトラック『Spark』 とタイトルを争った曲だが、BoAの強い希望により、最終的にタイトル曲に決定した。

「初めて曲を聴いたとき、タイトル曲にしたいと思いました。私の新しいイメージにもピッタリ。だからアルバムも『My Name』にしたんです。これからも、こんな音楽を続けていきたいです」と、『My Name』への想いを語った。

「大衆性がないのでは?」という所属社の意見にBoAは、「歌は歌手が作っていくもの。大衆も、何度も聞けば慣れるはず」と主張、結局は意志を貫いた。

BoAは「歌を歌って、この歌で舞台に立つのは私自身です。舞台演出にも私の意見が多く反映されました。私の望み通りになってとても嬉しいです」と語った。

日本進出の成功例を作り続けているBoAに、日本での活動を計画している歌手たちに言っておきたいことを聞いてみた。BoAもやはり、まず言語を1位に挙げた。

「必ず言葉を習得してから日本に来るべきです。日本の音楽番組は韓国と違い、トークが入るので日本語が話せることはとても大事です」「ライブが必須なので、ライブの実力だけでなく体力も必要。私は最初、一曲歌っただけで息切れするくらい肺活量が少なかったけど、今は2時間コンサートができるまでになりました」「今、韓国には素晴らしい歌手がたくさんいます。多くの歌手が海外進出に成功したらなあ、と思います」と語った。

BoAの4thアルバムには、独特のパワフルな歌のほかにも甘いバラード、スパニッシュ、ファンキーダンスなど、多彩なジャンルの歌が収録されている。

Copyrights ⓒgoodday & wowkorea.jp 2004/06/30
 0