9月22日、逮捕状審査を終えソウル中央地裁を出る韓氏(共同取材)=(聯合ニュース)
9月22日、逮捕状審査を終えソウル中央地裁を出る韓氏(共同取材)=(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】韓国の尹錫悦(ユン・ソクヨル)前政権から便宜を受ける目的で尹氏の妻、金建希(キム・ゴンヒ)被告などに金品を贈ったとして、政治資金法違反などの罪に問われた世界平和統一家庭連合(旧統一教会)総裁、韓鶴子(ハン・ハクチャ)被告の初公判が1日、ソウル中央地裁であり、被告側は全ての起訴内容を否認した。

 韓被告は最大野党「国民の力」の重鎮、権性東(クォン・ソンドン)国会議員(逮捕・起訴済み)や金被告に金品を渡した疑惑について、自身は関与しておらず、教団の「世界本部長」を務めた元幹部、ユン・ヨンホ被告の独断によるものと主張した。

 韓被告は車椅子に乗って出廷した。地裁の前では初公判を傍聴しようと教団の信者らが長い列を作った。

 韓被告の弁護人は犯行を立証する証拠はユン元本部長の供述だけだとし、起訴内容を否認した。韓被告側はユン被告について、「世俗的野心が強い人」とし、「検察がユン被告の野心から始まった行為をむりやり韓被告との共犯関係として構成した」と主張した。

 金被告に渡された高級ブランドバッグやネックレスについても、ユン被告が準備したものであり、韓被告が指示したことはなく、報告も受けていないと強調した。

 起訴状に記載された「政教一致」という指摘はユン被告の供述を根拠にしたものであり、実際とは異なる歪曲(わいきょく)されたものだとも主張した。

 金被告を巡る不正疑惑を捜査する特別検察官チームは、韓被告の意に沿った国家運営を実現するため教団側が尹前政権を支援したと主張しているが、韓被告側はこの主張はユン被告の供述だけが根拠になっていると反論した形だ。

 一方、特別検察官側は信者らの献金を教団が違法に運用したものとし、犯罪の重大性を強調した。信者らが厳しい経済状況に置かれながら融資を受けるなどして用意した献金を、韓被告らの保釈金や違法な政治献金に使ったことを考えれば非常に悪質であり、宗教団体が違法献金の見返りとして政治権力を得ようとした重大犯罪だと強調した。

 韓被告は9月に逮捕され、10月10日に起訴された。起訴状などによると、韓被告はユン・ヨンホ被告と共謀し、2022年1月に尹前大統領の側近の1人で国民の力の重鎮、権性東被告に違法な政治資金1億ウォン(約1060万円)を渡して教団への支援を求めた政治資金法違反の罪のほか、同年7月ごろに高級ブランドバッグなどを呪術師のチョン・ソンベ被告(逮捕・起訴済み)を通じて金被告に贈り、教団の事業で便宜を図るよう要請した請託禁止法違反の罪、同年10月に自身の海外賭博疑惑に関する警察の捜査に備え元幹部に証拠隠滅を指示した証拠隠滅教唆の罪などに問われている。


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