尹政権は2024年2月、医師不足の解消に向けて大学医学部の入学定員を25学年度からの5年間、従来の3058人から5058人に2000人ずつ増やす方針を打ち出した。
監査院は保健福祉部に対し、今後の医学部定員の調整過程で今回の調査内容を踏まえるよう要求し、教育部に対しては大学ごとの定員配分業務を徹底するよう求めた。
◇2000人の根拠が希薄 十分な議論なし
保健福祉部は昨年2月に医学部定員を毎年2000人ずつ増やすことを骨子とする医師人材拡大案を発表した。同部は当時、2000人の根拠として2035年に医師1万5000人が不足することを挙げた。
1万5000人は、医師の需給バランスが取れていると仮定して行われた韓国保健社会研究院などの機関の研究結果を総合した1万人に、保健福祉部が依頼した研究者が推計した不足人数4786人を加えたものという。
ただ、監査院によると、研究者が出した不足人数は地域間の医師の需給の不均衡を示したもので、全国で不足している医師の人数とはみなし難いものであり、同研究者も監査院の見方に同意したという。
また監査院は 政府が増員規模について医師団体と協議せず、決定の手続きにも正当性を確保する努力が不十分だったと指摘した。
◇増員の配分基準に一貫性なし 配分委員の選定にも問題
監査院は、大学ごとの増員規模の割り当てにも問題があったと判断した。
まず、配分委員会を構成するにあたり、大学の教育環境を評価できる能力を備えた人物が委員にバランスよく含まれなかった。
配分委員を委嘱された7人のほとんどが研究者または公職者で、医大教授として教育課程を策定・運用した経験がなく、大学が提出した資料や今後の計画を評価するだけの専門的知識を十分に持っていなかった。
また現場の点検を実施せず、配分基準も一貫していないなど配分の妥当性・公平性も損なわれたと監査院は判断した。
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