香港サウスチャイナ・モーニングポスト(SCMP)によると、香港北部・大埔(タイポー)の高層アパート団地「ウォンフックコート」で前日午後2時51分ごろ火災が発生し、消防士を含む36人が死亡、279人が行方不明の状態だ。住民約900人は周辺の臨時避難所へ避難した。
火災の消火には140台以上の消防車と800人以上の消防士が投入された。救助された人々は現地の9つの病院に分散して搬送されているが、搬送後に死亡が確認されるケースが相次いでいる。病院に運ばれた人のうち7人が危篤、13人が重傷を負っている。
所在の確認が取れない人が多く、高層建物から避難できなかった住民もいることから、人的被害はさらに増える見通しだ。香港当局は午後6時22分に警報レベルを最高の5級に引き上げた。5級警報は、4人が死亡し55人が負傷した2008年の旺角(モンコック)ナイトクラブ火災以来初めてである。
香港警察は過失致死の疑いで男性3人を逮捕した。火災の原因はまだ発表されていない。
火災当時、アパートは1年以上にわたり大規模な補修工事中だったと伝えられている。外壁に設置された竹の足場や工事用安全ネット、発泡スチロールに火が燃え移り、火災の規模が拡大したとみられる。
香港では建物工事で鉄骨の代わりに竹を組んで作業用足場を作ることが多い。香港開発局は今年3月、安全上の懸念から竹の足場使用を段階的に縮小し、金属製の足場に置き換える方針を示していた。
目撃者たちは「ドンという爆発音とともに火花が散り、竹の足場が燃え、10〜20階の高さから雨のように降り落ちてきた」と証言した。
アパート8棟のうち7棟に火が燃え移り、4棟では27日未明まで炎が収まらなかった。1983年に完成したこのアパートには4600人余りが住んでおり、その3分の1は65歳以上の高齢者だ。
香港は来月7日の立法会選挙の選挙運動をすべて中断し、火災収束に全力を注ぐ方針だ。今回の火災は、香港返還直前の1996年に41人が死亡した嘉利(カリ)ビル火災以来、最悪の惨事として残る見通しである。
習近平中国国家主席は「火災を消し止め、死傷者を最小限に抑えるため、全ての力量を尽くして対応せよ」と述べた。
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