記者会見は約30分間行われ、李大統領は自身の北東アジア外交構想の一部を紹介した。
まず、対北朝鮮政策について、金大中(キム・デジュン)元大統領の「太陽政策」に言及し、「抑止力と対話、妥協、説得、そして共存と繁栄への希望があってこそ、平和と安定が可能になる」と述べた。
そのうえで「(北朝鮮の)疑念と対決的思考を変えるためには相当の努力が必要だ」とし、「北側が韓国政府を疑い、怒りや敵対的な態度を示しているが、過去に比べて表現の強度は大きく和らいだように見える」との見方を示した。
李大統領は「北側が安心し、少しでも南側を信頼できるよう、可能な範囲で先制的な措置を取っており、今後もその努力を続けていく」と約束した。
また「朝鮮半島はいまだ休戦中であり、休戦協定の当事者は韓国ではなく米国だった。そのため北は米国から体制の安全を保証されるべきだと考えている」とし、こうした理由から「米国の役割が最も重要だ」と説明した。
続けて「このような米国の役割を認め、トランプ大統領が『ピースメーカー』としての役割をうまく果たせるようにすることが、韓国の平和を確保する道だ」とし、自身は「ペースメーカー」としてその努力を続けていくと語った。
韓中関係については「表面的には特に問題がないように見えるが、完全に関係が回復したと見るのは難しい」としたうえで、「実質的な協力強化が不可欠であり、最も重要な分野は経済分野になるだろう」と述べた。「米国も中国と競争し、対立し、敵対的に見えるが、その裏では協力し、取引し、支援している」と指摘。「韓国と中国の関係も、地理的に近く、経済的に深く依存し合い、協力する関係だ」と説明した。
さらに「今後は外部の小さな障害があっても、それを乗り越え、より大きな利益と変化に向かって進んでいく」と強調した。
李大統領は「朝鮮半島の平和と安定を定着させるうえで中国の役割は非常に重要だ」とし、朝鮮半島が安定してこそ北東アジアも安定し、それが中国の利益にもつながるため大きな役割を期待していると述べた。
会見では日本の高市早苗首相との初の首脳会談に関する感想や、今後の韓日関係の展望についても語った。
李大統領は高市首相について、「非常に良い印象を受けた。心配がなくなった」とし、「対話してみたら、同じ考えを持つ素晴らしい政治家だと思った」と評価した。そのうえで、両国の間に横たわる問題を直視しつつも未来に向けて手を携えながら進むことができると思ったと強調した。
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