イーサリアムが、12月3日に予定されている「フサカ(Fusaka)」アップグレードのメインネット適用を前に、最終テスト段階に入った。

21日(現地時間)、イーサリアム開発チームは「今回のアップグレードでは、1トランザクションあたり約1678万ガス単位の上限を導入し、ブロック効率を向上させるとともに、将来の並列実行ベースのアップグレードに向けた基盤を整えることが目的」と説明した。

この新仕様はすでに「ホレスキー(Holesky)」および「セポリア(Sepolia)」のテストネット上で有効化されている。従来は、単一のトランザクションがブロック全体のガス上限(約4500万ガス)を占有できる設計だったが、これがサービス拒否(DoS)攻撃のリスクを高め、ネットワークの拡張性を制限していた。

新たに導入されるガス上限により、特定のトランザクションがブロックを独占することが防止され、複数の小規模トランザクションをより効率的に処理できるようになる。これにより、ブロック構成の予測可能性が高まり、将来的に並列実行をサポートするネットワーク構造への移行が容易になる見通しだ。並列実行とは、複数のトランザクションを同時に処理できる仕組みであり、イーサリアムのロードマップにおいて重要な進化の一歩とされている。

今回のトランザクションガス上限導入は、セポリアテストネットにフサカアップグレードが適用されてから約1週間後に実施された。同アップグレードでは、全体のブロックガス上限を約4500万から6000万に引き上げている。

次の段階となる「フーディ(Hoodi)」テストネットアップグレードは10月28日に予定されており、メインネットへの正式適用は2025年12月に計画されている。

フサカ(Fusaka)アップグレード(EIP-7825)は、2024年3月の「デンクン(Dencun)」、2025年5月の「ペクトラ(Pectra)」に続く、イーサリアムの3番目の主要アップデートだ。今回のアップグレードでは、基本ブロックガス上限を6000万に引き上げ、EIP-7825に基づいて1トランザクションあたりの上限を1677万に設定。また、新機能として「PeerDAS(ピア・データ可用性サンプリング)」を導入する。

PeerDASは、イーサリアムノードがレイヤー2(Layer 2)のブロブ(blob)データ全体ではなく、一部のランダムな断片のみを保存する仕組み。これにより、セキュリティを維持しつつハードウェア負荷を軽減し、レイヤー2ネットワークのスケーラビリティとコスト効率を大幅に高めることが期待されている。

さらに、フサカの次期アップグレード「グラムスターダム(Glamsterdam)」では、実行層(execution layer)に焦点を当て、イーサリアム初となる並列トランザクション処理を実現するEIP-7928が導入される予定だ。
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