記者会見を開き、北朝鮮への送還を求める非転向長期囚のアン・ハクソプさん(中央)=16日、ソウル(聯合ニュース)
記者会見を開き、北朝鮮への送還を求める非転向長期囚のアン・ハクソプさん(中央)=16日、ソウル(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】朝鮮戦争の捕虜や工作員として韓国側に捕らえられたが北朝鮮の思想を捨てず、韓国で長期間服役した非転向長期囚の送還問題について、韓国の統一部当局者は16日、記者団に「人道的、人間的な観点から送還を推進することが政府の基本方針」としながらも、「北との協議など、具体的な方策を検討している」と明らかにした。

 非転向長期囚のアン・ハクソプさんとアンさんの送還を支援する市民団体はこの日、記者会見を開き、第三国を経由した北朝鮮への送還のため、中国かロシアへの入国ビザを発給することや北朝鮮との協議の窓口を開設することなど、具体的な手続きを支援するよう要請した。

 朝鮮戦争時に北朝鮮軍に入ったアンさんは1953年に韓国側に捕らえられた。利敵罪で有罪判決を受けて42年間服役し、1995年に出所した。2000年に行われた南北首脳会談を機に非転向長期囚63人が北朝鮮に送還されたが、アンさんは米軍が朝鮮半島から撤収するまで闘争するとして韓国に残った。現在存命している非転向長期囚はアンさんを含め5~6人とされる。

 同当局者はアンさんの第三国を経由した北朝鮮への送還を支援するかについて、「検討しなければならない事案」と述べるにとどめた。ただ、「基本的に南北の間で意思確認が必要だ」とし、「北の意思を先に確認しなければならない」と強調した。

 統一部の鄭東泳(チョン・ドンヨン)長官は先月末、非転向長期囚の送還問題に関し、「南北対話でそのような意思を伝え、答えを聞くことが最小限の手続き」として、北朝鮮側の意思確認が必要との認識を示した。


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