店内にある韓国コスメブランドには、APRの「メディキューブ」、The Foundersの「アヌア」、DALBA GLOBALの「ダルバ」、アモーレパシフィックの「イニスフリー」、LG生活健康の「ヒンス」、iFamily SCの「ロムアンド」、VTの「VT」、DYD(219550)の「リリーバイレッド」、Gudai Globalの「ティルティル」などがあった。この日、商品棚で空いている箇所が多かった製品は「メディキューブ PDRNジェルマスク」「アヌア ドクダミトナー」「トリデン クレンジングフォーム」などだった。すぐ隣のアヌアの棚で出会った日本人の増田さん(24)は「アヌアのドクダミトナーを使っていますが、特に夏にさっぱりして使いやすかったです」と語った。
注目すべきは、韓国ブランドの単独陳列棚の配置だった。通常、流通業界では入口付近は「トラフィックゾーン(traffic zone)」と呼ばれ、顧客が店舗に入る理由を作る場所とされる。そのため、入口には人気商品や誘導商品を配置することが多い。この店舗では、カラーコスメブランド「ロムアンド」の4段にわたる専用陳列棚が、店舗3階のエスカレーターを降りてすぐの入口付近に位置していた。ロムアンドは、頬に塗るツヤ感のあるチークからグロッシーなティント、マスカラ、アイブロウなど、さまざまな製品を展開していた。
向かい側のティルティルの棚では、ヨーロッパ、アメリカ、東南アジアなど様々な国の消費者が商品を試すために立ち止まっていた。多様な色展開がされており、消費者はそれぞれ自分に合った商品を探していた。ティルティルは4種類のファンデーションクッションラインを展開しているブランドで、中でも赤いパッケージの「マスクフィットレッドクッション」ラインは、色展開がなんと45色に及ぶ。この日、ティルティルの棚で出会ったインドネシア人のウナさん(24)は「昨年からティルティルのクッションを使い始めて、これまでに3個使い切りました」とし、「色が本当に豊富なので、インドネシアでも有名です。10代の若者の間でもよく使われているようです」と語った。
同日、東京・新大久保にあるデイジークの日本フラッグシップストアでは、日本の現地人をはじめ、海外からの観光客がリップやアイシャドウなどの商品を試していた。店舗スタッフのリナさんは「8月にオープンして以来、1日に300~500人が訪れます」とし、「現地の学生が多く訪れていて、特にリップ製品が人気です」と話した。
店内で出会った日本人のコハさん(21)は「主にカラーコスメに関心があり、Qoo10のメガ割期間に韓国コスメを安く買っています」と語り、「SNSで韓国コスメを知って興味を持つようになりました。ガラス玉のようなツヤのある質感や、珍しい色展開が韓国ブランドの魅力だと思います」と話した。
海外に設けられたK-ビューティーの体験空間は、外国人の韓国観光へとつながる機会にもなっているようだった。リップ製品を試していたスイス人の母娘、シルビーさん(58)とシャレルさん(24)は「今まで韓国の化粧品を使ったことはなかったけれど、通りすがりに店が可愛かったので入ってみました」とし、「まずパッケージが可愛くて気に入り、リップを試してみたら買ってみようかなという気持ちになりました」と話した。続けてシルビーさんは「来年は韓国に行ってみようかと思っています。ビビンバやトッポッキのような韓国料理を現地で食べてみたかったのですが、今回をきっかけに韓国コスメも見に行ってみたいです」と笑顔で語った。
他国へ出発する際にも、K-ビューティーとの接点は続いていた。日本・成田空港内の「マツモトキヨシ」免税店には、ティルティル、ロムアンド、ヒンス、イニスフリー、ミシャなどのブランド商品が並んでいた。キャンメイク、エリクシールなど日本ブランドの棚もあったが、来店客たちは韓国ブランドの製品により関心を示していた。
このように、現場で感じたK-ビューティーの人気は、数値としても現れている。食品医薬品安全処によると、ことし1~3四半期の韓国化粧品の輸出規模は、前年同期比14.9%増の85億ドルと暫定集計され、過去最高を更新した。日本は、米国、中国に次いで3番目に(シェア9.6%)輸出規模が大きい国である。ことし1~3四半期の日本向け輸出額は8億2000万ドルで、前年比10.4%増加した。
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