石破茂首相の後継を選ぶ自民党総裁選には5人が立候補。4日に投開票され、5氏のうち、高市氏と小泉進次郎農相の2人が決選投票に進んだ。高市氏が185票、小泉氏が156票を獲得。高市氏が新総裁に決まった。同党総裁に女性が選ばれるのは初めて。高市氏は同日夕、就任後初の記者会見を開き、「全員活躍、全世代総力結集という形でみんなで力を合わせて取り組む」と述べ、挙党体制の構築に努める考えを示した。
自民党の新総裁に高市氏が選ばれたことは韓国でも詳報されており、各メディアは、高市氏が韓国との歴史問題などで強硬な姿勢を貫く可能性を伝えている。通信社のニュース1は「高市氏の民族主義的性向は、A級戦犯を合祀(ごうし)した靖国神社参拝などで、韓国と中国の反発を招きかねないという懸念もある」と伝えた。高市氏は2022年2月、東京都内で講演した際、「日本国のトップになるようなことがあったら、ずっと参拝を続けたい。強い思いだ」と述べた上で、首相参拝で中韓が反発することについて「途中で参拝をやめるといった中途半端なことをするから、相手がつけ上がる。淡々と続ければ、だんだん回りもあほらしくなり、文句を言わないのではないか」と語っていた。韓国メディアのイーデイリーは、当時の高市氏のこの発言を日本メディアから引用し、「『妄言』を吐いた」と伝えた。高市氏は前回、2024年の総裁選では、首相になった場合も靖国神社への参拝を続ける意向を示していたが、今回は明言を避け、総裁に選出された後の記者会見でも、「適時適切に判断する」と述べるにとどめている。
日韓関係は当時の安倍晋三政権とムン・ジェイン(文在寅)政権下で「戦後最悪」と言われるまでに冷え込んだ。東亜日報は「61年生まれの高市氏は、安倍晋三元首相と同期だ」とした上で、「『女安倍』と呼ばれるほど極右性向を見せた日本の代表的な保守政治家だ」と紹介した。また、中央日報は高市氏について「極右志向」だと指摘した上で、「日本の政治の時計の針は韓日関係が史上最悪に達した『安倍(晋三政権)時代』に回帰するのではないかと懸念の声が早くも出ている」と伝えた。聯合ニュースも「協力基調が続いてきた韓日関係にも変化が生じる可能性がある」と指摘した。
一方、自民党の新総裁選出を受け、韓国外交部(外務省に相当)は4日、コメントを発表し、「(日本は)激変する地政学的環境と貿易秩序の中で似た立場を持つ隣国であり、パートナーだ」とした上で、「今後も未来志向的な関係発展のため、両国が共に努力していくことを期待する」とした。
韓国大統領室も同日、声明を発表。「肯定的な流れを継続するために引き続き協力していく」とした。ことし6月に就任した李在明大統領は「対日強硬派」として知られてきたが、大統領選に出馬して以降、対日批判を抑制。石破茂首相との間で会談を重ねてきた。ユン・ソギョル(尹錫悦)前政権時に復活し、李氏も石破氏との間で行った首脳の相互訪問「シャトル外交」が、今後、新首相との間でも継続されるか注目される。李氏は先月の記者会見で、今後の日韓関係について記者に問われ、「質問には『新しい日本の政権が石破茂首相よりも難しくなるだろう』という趣旨が入っていると思うが、私たちもそうだと思う」とした一方、「協力できる部分について対話し、広い心で互いに近づかなければならない」と述べている。
読売新聞は4日、高市新総裁について「歴史問題を抱える中国や韓国との関係を進展させるには、バランスのある政治姿勢をとれるかどうかが課題となる」と指摘した。
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