キム氏は、「(国連総会)本会議の開始数日前まで米国と同盟勢力は核戦争演習の扇動を行い、朝鮮半島情勢を極度に緊張させた」とし、核保有は韓米日に対抗するための自衛権だと説明した。
また、米国と同盟国の侵略の脅威が増すのに比例して北朝鮮の物理的抑止力が強化されたことで敵国の戦争挑発の意志が抑えられ、朝鮮半島におけるパワーバランスが保障されているとも主張。この日の演説では米国との対話再開の可能性について言及しなかったが、北朝鮮に対する尊重と友好を前提とした「思想と制度が異なる国」との対話の可能性に含みを持たせた。
キム氏は自主、平和、親善は北朝鮮の変わらぬ対外政策的理念としながら、これまでと同様に今後も侵略と干渉、支配と隷属に反対し、自主と正義を志向する全ての国や民族と、思想と制度の違いにかかわらず協力すると述べ、自国を尊重し、友好的に接する国々との多角的な交流と協力を発展させていくと強調した。
トランプ米大統領が北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長(朝鮮労働党総書記)との対話の意思があると複数回表明したことに対しては、金正恩氏も「非核化の放棄」を前提に米朝対話再開の意思があることを示唆している。
北朝鮮メディアは、金正恩氏が21日の最高人民会議(国会に相当)で、トランプ氏に対し「良い思い出を持っている」として「もし米国が非核化の執念を振り払い、現実を認めた上でわれわれとの真の平和共存を望むのであれば、われわれも米国と向き合えない理由はない」と述べたと報じた。
各国の首脳が集まる国連総会の「ハイレベルウイーク」中に北朝鮮が政府高官を派遣するのは2018年以来7年ぶり。
14~15年には当時の李洙墉(リ・スヨン)外相、16~18年には当時の李容浩(リ・ヨンホ)外相が国連総会に出席したが、第1次トランプ政権だった19年2月にベトナムで開催された米朝首脳会談が不首尾に終わってからは高官を派遣していなかった。
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