APEC首脳会議の会場として使われる慶州和白コンベンションセンター=(聯合ニュース)
APEC首脳会議の会場として使われる慶州和白コンベンションセンター=(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】韓国南東部・慶州で開催されるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議の開幕まで残り約1カ月となった。会議は10月31日から2日間の日程で開かれ、アジア太平洋地域の主要国が慶州に一堂に会して世界経済の現在と未来について議論する。

 APECには韓国をはじめ米国、日本、中国、ロシア、オーストラリア、カナダ、ベトナム、メキシコなど21カ国・地域が加盟している。

 首脳会議には米国のトランプ大統領、中国の習近平国家主席など、ほとんどの加盟国・地域の首脳が出席すると予想される。

 トランプ氏は19日(現地時間)、習氏と電話協議した後にSNSで、「韓国で開かれるAPEC首脳会議に合わせて習氏と会談することで合意した」と明らかにした。米中首脳がそろって訪韓するのは2012年の核安全保障サミット以来、13年ぶりとなる。

 APEC首脳会議の韓国開催は、釜山で開いた2005年以来、20年ぶり。今回は貿易自由化や農産物交渉などが主要問題だった20年前とは議題が異なる。

 韓国は今年、議長国として人工知能(AI)分野の協力、人口構造変化への対応という二つの議題を提示した。後戻りできない流れとなったAIの台頭、少子高齢化に要約される人口構造の変化をAPECという経済共同体が目指す経済発展と繁栄のためにどのように活用し、対応していくべきかを話し合ってみようという趣旨だ。

 AIと人口構造への対応が今年のAPEC首脳会議に現れた水面上の流れだとすれば、底には「保護主義・自国中心主義」と「自由貿易・多者協力」の対立という海流が潜んでいる。

 トランプ氏は過去の通商システムが有効ではないとした上で、自身が推進する新たな秩序に協力するよう各国に圧力をかけると予想される。

 一方、習氏は自由な国際貿易秩序を強調しながら、貿易自由化を呼びかけた以前の米国の位置に向かおうとするだろう。

 APEC加盟国・地域のほとんどは米国の友邦であり、トランプ氏が起こした関税戦争の被害者であるため、合意文書の「慶州宣言」が採択されるかどうかが注目される。最小限のコンセンサスも得られなかった場合は議長声明だけが発表される可能性もある。

 国立外交院のミン・ジョンフン教授は「韓国は議長国として米中が激しく対立する部分に対処しつつAI活用、開発協力などの分野について議論を主導的にリードできるだろう」と述べた。

 朝鮮半島の平和も議長国・韓国の立場で、APEC首脳会議を機に進展を図ることができる。北朝鮮核問題など安全保障が会議の主要テーマではないが、北東アジアの安定が経済と貿易の安定につながるという論理を前面に出すことは可能だ。

 李在明(イ・ジェミョン)大統領は米中をはじめとする各国との二国間会談でも韓国の緊張緩和や平和拡大の努力を紹介し、支持を訴えると予想される。


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