異例の最高裁判所長官聴聞会、与党の追及に「三権分立侵害」の懸念高まる=韓国
異例の最高裁判所長官聴聞会、与党の追及に「三権分立侵害」の懸念高まる=韓国
韓国の革新系与党「共に民主党(民主党)」の強硬派議員が、チョ・ヒデ(曺喜大)大法院長(最高裁長官)に対する史上初の聴聞会を決定したことで、「司法部への圧力」に対する法曹界の懸念も高まっている。

 23日、韓国の法曹関係者によると、国会法制司法委員会は前日、民主党が中心となって、「曺喜大大法院長の大統領選挙介入疑惑関連緊急懸案聴聞会」の実施計画書と、関連証人・参考人出席の件について議決した。

 民主党が提起してきた、いわゆる「曺喜大氏とハン・ドクス(韓悳洙)前首相の会談疑惑」を当事者たちが強く否定したことに加え、情報源の信ぴょう性に疑義が呈され、捜査機関への告発が受理されるなど、この問題は一時期勢いを失ったかに見えた。しかし、担当の委員会が普通では考えられない大法院長の聴聞会を開くという強硬な手段に出たため、かえって反対側からの批判が次々と押し寄せ、状況が一転した。

 法曹界では前例のないレベルの司法部攻撃に懸念が噴出している。イ・ジェミョン(李在明)大統領の裁判に関する大法院全員合議体判決を問題視し、辞任を迫る動きは、前例のない「三権分立侵害」だとの指摘が相次いでいる。

 地方裁判所のある部長判事は、「大法院長が全員合議体判決で政治をしようとしたという憶測を提起し、具体的な裁判結果に継続的に介入している」とし、「度を超えた攻撃だ」と強く非難した。

 別の部長判事もまた、「過去にも政権が変わり、前政権で任命された大法院長に対する攻撃はあったが、このように直接的に辞任を迫ることはなかった」とし、「ますます度合いがひどくなっているようだ」と懸念を示した。

 特に、いわゆる「曺喜大氏と韓悳洙前首相の会談疑惑」の提起についても、「『事実でなくても構わない』という姿勢で裁判官に疑惑を向けるのは、たとえ議員の免責特権があっても、一線を越えている」との声も上がっている。

 これに先立ち、民主党議員たちは情報提供があったとして、曺大法院長が韓前首相らと会談し、「李在明氏の事件が大法院に持ち込まれたら、うまく処理する」と話したとの疑惑を提起した。しかし、会談の情報源が誰であるかを明確にできず、根拠のない疑惑提起だとの批判も上がっている。

 一方、共に民主党のチュ・ミエ(秋美愛)法制司法委員長らは、30日に開かれる聴聞会に、曺大法院長やイ・フング(李興九)大法官(裁判官)、オ・ギョンミ(吳經美)大法官ら複数名を証人として申請・採択した。特に、両大法官は、李大統領の裁判における破棄差し戻し判決で、多数意見に反対する意見を出したことで知られている。

 両大法官は破棄差し戻し判決当時、多数意見とは異なり、反対意見を出した2人の大法官として注目されている。それぞれウリ法研究会と国際人権法研究会に所属していた、進歩的な傾向を持つ人物として知られている。パク・ヨンジェ(朴英在)大法官はキム・ミョンス(金命洙)前大法院長時に法院行政処次長出身で、今回の事件の主審大法官を務めた。中道・保守的な傾向を持つとの評価が多い。

 ただし、彼らが全員聴聞会の証言台に立つかどうかは不透明だ。法院行政処の関係者は、「証人出席要求書が各個人に届けば、個別の判断で出席の有無が決められるだろう」と述べた。

 国会法司委が5月14日に民主党の主導で開いた「曺喜大大法院長など司法部大統領選挙介入疑惑真相究明聴聞会」では、証人に選ばれた曺大法院長や大法官らは、全員が欠席理由書を提出し出席しなかった。
Copyrights(C) Herald wowkorea.jp 104