外国人観光客向け食品売り場=(聯合ニュース)
外国人観光客向け食品売り場=(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】韓国の食品がドラマやK―POPなどの韓流ブームに乗って世界で存在感を高めている。

 米動画配信大手ネットフリックスの人気アニメーション映画「KPOPガールズ!デーモン・ハンターズ」にはキンパ(のり巻き)や即席麺などさまざまな韓国料理が登場し、世界的に注目を集めた。即席麺に対する関心の高まりを受け、食品大手の農心や三養食品の株価も上昇した。

 昨年の水産物を除く農食品(農産物と食品)の輸出額は99億8000万ドル(約1兆4800億円)を記録し、4年間で1.3倍に増えた。農林畜産食品部は今年の輸出額を105億ドルとし、2030年までに150億ドルに増やすことを目標に掲げた。

 同部によると、今年1~8月の農食品の累計輸出額は前年同期比5.1%増の67億1500万ドルで、過去最高を記録した。

 品目別では即席麺が22.3%増の9億7800万ドルで、昨年1年間の輸出額(10億1000万ドル)に迫った。以下、菓子類が4億9800万ドル、ソース類が2億7300万ドル、コメ加工食品が1億8300万ドル、キムチが1億1000万ドルと続いた。

 輸出先は米国が12億500万ドルで、前年同期比17.8%増加した。2位の中国は6.1%増の10億1700万ドル、3位の日本は2.9%減の8億7400万ドルだった。

 輸出がこれほど急激に増えたのは、即席麺やコメ加工食品、キムチなど幅広い品目がまんべんなく人気を集めているためだ。輸出額拡大に最も貢献した即席麺は、新型コロナウイルスの感染拡大によるロックダウンで需要が急増。その後も人気が続いている。

 冷凍キンパ、トッポッキ(餅の甘辛炒め)、冷凍餅、レトルトご飯などコメ加工食品の輸出も顕著な伸びを示している。コメ加工食品の輸出額は昨年に初めて3億ドルを突破し、増加率は前年比38.4%に上った。

 韓国を代表する食品であるキムチは、健康に良い発酵食品として注目され、米国や欧州で消費が増加している。キムチの輸出先は2020年の85カ国・地域から昨年には95カ国・地域に増えた。昨年の韓国のキムチ輸出額は米国が4800万ドル、欧州が2300万ドルで、それぞれ4年前の2倍に増えた。 

 食品業界の関係者は「内需市場は人口減少で消費不振が続いている」とし、「海外市場の拡大に全力を尽くさなければならない」と強調した。

 輸出統計には含まれない、食品メーカーの海外現地生産も増加している。

 食品業界トップのCJ第一製糖は、米国市場で販売する製品の大部分を現地の工場で生産している。同社が日本に建設したマンドゥ(ギョーザ)工場は今月初めに完工し、ハンガリーと米国でも工場建設を推進している。三養食品は即席麺「ブルダック炒め麺」の需要が高い中国に初の海外工場を建設中だ。

 フライドチキンなどの外食フランチャイズブランドも海外市場を積極的に攻略している。フライドチキンチェーン大手・BBQチキンは58カ国・地域で700以上の店舗を運営しており、BHCとKyochonチキンも海外進出を拡大している。

 ファストフード大手のロッテリアは今年、シンガポールに続いてハンバーガーの本場である米国に1号店をオープンした。

 ベーカリーチェーン「パリバゲット」などを手掛けるSPCグループは米テキサス州の工場が着工し、CJフードビルが運営するベーカリーチェーン「トゥレジュール」も海外店舗を急速に増やしている。

 だが、米トランプ政権の関税強化による打撃を受け、順調だった韓国食品の輸出にブレーキがかかった。米国への農食品の輸出は今年7月、前年同期比6.7%減と2年2カ月ぶりに減少に転じた。8月の輸出も4.4%減少した。

 農林畜産食品部の関係者は「関税の衝撃を最小限に抑えられるよう、輸出バウチャーや物流負担の軽減措置などを政策パッケージの形で実施する」と述べた。米国・中国・日本の3カ国に全体の半分が集中する輸出先を中東・中南米市場などに多角化し、品目も拡大しなければならないとの指摘も出ている。


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