9月に入って1日平均の対米輸出額が前の年に比べて20%以上も減少し、米国の関税賦課による影響が深刻化している。

このまま推移すると、韓国の全体の輸出も4か月ぶりに減少に転じる可能性がある。米国による25%の関税賦課にもかかわらず、市場の多角化により善戦してきた自動車の輸出高も、今月に入って減少に転じた。

関税庁によると、韓国の9月1日から10日の対米輸出額は29億6000万ドル(約4357億円)で、前の年に比べて8.2%減少した。ベトナムや台湾などの地域で善戦していることにより、全体の輸出額(192億ドル/約2兆8200億円)は前の年に比べて3.8%増加したが、米国を中心に韓国の輸出全般に暗雲が立ち込めている。

操業日数を考慮した実際の輸出高の推移はこれよりもさらに悪化する。同じ期間の1日平均輸出額は前の年に比べて9.5%減少した。特に、対米輸出額は減少率が21.5%に達している。

半導体の輸出は9月に入っても前の年に比べ28.4%増となり、全体の輸出実績を支えている。輸出全体で半導体が占める割合も23.2%に増加し、昨年より4.5%増えた。米韓の造船分野で協力が期待される中、船舶輸出(9億ドル/約1328億円)も前の年に比べて55.3%増加した。

しかし、これらを除いた主要輸出品目の大半は不振を免れなかった。鉄鋼製品の輸出額(12億4000万ドル/約1825億円)は前の年に比べて2.9%減少し、石油製品の輸出額(11億7000万ドル/約1722億円)も21.1%減少した。無線通信機器(6億ドル/約883億円・マイナス5.8%)や家電製品(2億ドル/約294億円・マイナス10.7%)なども振るわなかった。

特に、先月まで善戦していた乗用車の輸出額(15億5000万ドル/約2281億円)も、前の年に比べて1.9%減少した。操業日数を考慮すると、9月全体では2桁以上減少する可能性もある。

地域別でもベトナム向けの輸出額(20億7000万ドル/約3047億円)と台湾向けの輸出額(11億5000万ドル/約1692億円)が前の年に比べてそれぞれ24.0%増、31.2%増と善戦したが、米国を含めた大半の地域で振るわなかった。最大の貿易相手国である中国への輸出額(39億2000万ドル/約5770億円)も前の年に比べ0.1%の増にとどまった。この間操業日数が増えたことを勘案すれば、事実上減少していることになる。

米国の関税ショックによる輸出の鈍化は今後さらに深刻化する可能性がある。米国は現在、半導体など一部の品目を除いたすべての韓国製品に15%の相互関税を課している。これとは別に、鉄鋼製品と自動車にはそれぞれ50%と25%の関税を課している。

その中でも、特に自動車輸出に支障が出る懸念が大きい。韓国政府は7月末、3500億ドル(約51兆5000億円)の対米投資の約束と引き換えに自動車の関税率を25%から15%に引き下げることで合意したが、その後、米国への投資方式をめぐって実務交渉が膠着(こうちゃく)状態に陥(おちい)っている。米国市場で競合するEUと日本は交渉を終え、まもなく15%の関税率が適用されることが決まっているため、韓国だけがハンディキャップを抱えて競争しなければならない状況になっている。

韓国車はこれまで米韓自由貿易協定(FTA)による関税免除によって、2.5%の関税が適用されていた日本やEUの自動車輸出に比べて競争での優位性を保っていたが、この状況が逆転したことになる。

スンシル(崇実)大学グローバル通商学科のク・ギボ教授は「日本の米国に向けた自動車輸出はまもなく15%の関税が適用され、韓国は依然として25%の関税が適用されているため、両国間の競争での困難が今後さらに拡大する可能性がある」と述べ、「対米輸出で自動車が占める割合があまりにも大きいため、このような状況が続いた場合、輸出額減少の流れが続く見込み」と述べた。

産業通商資源部のキム・ジョングァン長官は、膠着状態に陥っている米韓関税交渉の後続協議のため、11日に米ワシントンD.C.に向かった。キム長官は訪米期間中、ラトニック米商務長官らと会談する予定だ。

しかし、双方が今回の会談で膠着状態を解決できるかどうかは未知数だ。米国側は韓国が約束した投資が自国の主導権により直接投資の形で行われることを強く要求しているという。韓国側は、韓国企業が参加する現地投資プロジェクトに対する保証など、間接支援方式を堅持している。
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