この日、韓国側では外交部書記官出身で「李大統領のナンバーワン通訳」と呼ばれるチョ・ヨンミン大統領室行政官が、事実上初の公式舞台に立った。米国側では、長年の経歴を誇るイ・ヨニャン局長が登場した。
「ベテラン」であるイ局長は、トランプ大統領の長い発言をノートパッドに書き取りながら、淀みなく韓国語に訳し、熟練の通訳実力を披露した。
国務省内で「ドクター・リー(Dr. Lee)」と呼ばれるイ局長は、2018年6月にシンガポールで行われた米朝首脳会談でトランプの通訳を担当し、「トランプの口と耳」と呼ばれた人物である。
2014年のバラク・オバマ大統領の訪韓、2022年のジョー・バイデン大統領とユン・ソギョル大統領の首脳会談など、保守・進歩政権を問わず、米国大統領たちの主要な外交の場で活躍してきた。
時事週刊誌『タイム』は、イ局長について「知られざる英雄」と評価したこともある。
延世大学声楽科を卒業したイ局長は、結婚後、専業主婦として暮らしていたが、友人の勧めで1989年に韓国外国語大学の通訳翻訳大学院の試験に合格した。実力を認められ、1996年にモントレー通訳翻訳大学院の教授として赴任した。
イ局長は2000年代初頭から米国務省の韓国語通訳官として勤務を始めた。2004年に帰国し、梨花女子大学の通訳翻訳大学院で一時教鞭を執ったが、2009年に国務省に復帰してからは、ずっと通訳の現場で働いている。
イ局長と共に働いた人々は、口をそろえて彼女の通訳の実力を称賛する。バイデン政権時のアントニー・ブリンケン国務長官は、2022年にイ局長について、「外交通訳チームの不可欠なメンバーであり、彼女と彼女のチームなしには業務ができない。我々が感嘆するのは、単に単語の意味だけでなく、語感や強調点まで伝えられることだ」と語った。
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