ソウル中心部の繁華街・明洞(資料写真)=(聯合ニュース)
ソウル中心部の繁華街・明洞(資料写真)=(聯合ニュース)
【世宗聯合ニュース】韓国政府は22日に発表した「新政府経済成長戦略」で、今年の韓国の実質国内総生産(GDP)成長率を0.9%と予想した。

 尹錫悦(ユン・ソクヨル)前大統領による「非常戒厳」宣言や尹氏の弾劾により国内政治の不確実性が高まったことの余波や米国の関税強化策などを考慮し、1月に示した1.8%から下方修正した。新政権発足に伴う消費心理の改善などの影響で今年下半期から回復傾向が強まり、来年の成長率は1.8%と見通した。

 ただ、今回の発表には米国が課すとしている半導体への関税の影響が反映されておらず、不安要素として残っている。

 ◇成長率見通しを0.9ポイント下方修正 

 今回政府が発表した今年の成長率見通しは経済協力開発機構(OECD)の1.0%より低く、国際通貨基金(IMF)、韓国開発研究院(KDI)、韓国銀行(中央銀行)、アジア開発銀行(ADB)の0.8%よりは高い。

 政府は今年1~3月期(0.0%)と4~6月期(0.5%)は振るわなかったが、下半期から補正予算などの政策効果が可視化され、消費を中心に回復すると予想。来年の成長率は今年の2倍の1.8%と予想した。

 ただ、米国が課すとしている半導体への関税の影響が反映されていないため、関税率によっては輸出に影響を与え、成長率にも変化が生じる可能性がある。

 ◇今年の輸出増加率 前年比7.9ポイント下落 

 米国の関税強化策の影響で、今年の輸出増加率は0.2%で、前年(8.1%)に比べて7.9ポイント急減すると予想した。半導体と船舶は輸出増加傾向が続くが、品目別の関税が適用される自動車・鉄鋼と、供給過剰などで苦境にある石油製品・化学が全体を押し下げると予想した。

 米国との関税交渉が合意に至ったことで不確実性は大幅に解消されたものの、半導体や医薬品に対する品目別関税などのリスク要因を踏まえ、来年の輸出は0.5%減と予測した。

 今年の輸入は国際原油価格下落の影響で0.6%減少し、来年はその反動で再び0.5%増えると予想した。

 今年の経常収支は950億ドル(14兆1000億円)の黒字と予測した。昨年(990億ドル)より40億ドル少なく、来年はさらに少ない800億ドルと予想した。

 消費者物価は今年と来年ともに物価安定目標と同じ2.0%と予想した。


Copyright 2025YONHAPNEWS. All rights reserved. 40