ソウル市によると、現在3台のコランド・エモーションが深夜自動運転タクシーとして運行している。このタクシーは、自動運転のスタートアップ企業であるSWMの技術を搭載している。平日の午後11時から翌日の午前5時まで運行し、事実上江南圏のほとんどで無料で利用することが可能だ。運行は4車線以上の道路では自動運転モード、1車線道路および児童保護区域では搭乗している試験運転者が手動操作を行い、安全性を確保している。昨年の9月に初のテスト運行を始めて以来、今年の7月末までに計5130回の運行を無事故で終えている。市民からは「高いサービス品質が保たれている」、「運行エリアの拡大が必要だ」など好評を受けている。
市民からの高い評価を得たソウル市は、KGモーティリティに感謝の意を表した。ソウル市の関係者は「当初、他の完成車メーカーは企業秘密の問題により情報共有に消極的だったが、KGモーティリティは運行に最も積極的だった」とし、「KGモーティリティはソウルの交通政策を施行する上でありがたい事業者だ」と伝えた。さらに「コランド・エモーションの快適な乗り心地も、市民からの好評を引き出すのに重要な役割を果たしたようだ」と言葉を添えた。
ソウル市がKGモーティリティに感謝の意を示した理由は、自動運転タクシー事業者を選定していた時にまでさかのぼる。自動運転モビリティ企業は、従来の完成車に各社が開発したハードウェアシステムとソフトウェアを搭載して自動運転車に改造する。そのためには、完成車メーカーが車両に関する情報を公開しなければならない。これは企業秘密に触れる可能性もあり、ほとんどの完成車メーカーが敬遠していたという。一方でKGモーティリティはソウル市で深夜自動運転タクシーの実証事業の発注を行う以前から最も事業に対して積極的だったという。
これに先立ち、KGモーティリティとSWMは2022年にほとんどの道路で自動運転が可能な「レベル4」の自動運転技術の先行開発についての技術協力了解覚書を締結した。これにより、KGモーティリティはコランド・エモーションの縦・横方向の制御と車両反応についての動的情報および車両制御ネットワークなどのインターフェースに関する技術を提供した。SWMは測位・認知・予測・判断・制御のためのソフトウェアと、自動運転に必要な各種ハードウェアを装着して自動運転車を開発した。これをもとにSWMは、ソウル市からの発注で他のライバルを抜いて最も高い点数を獲得し、無料で乗客を乗せての自動運転を実証できる機会を得た。
ソウル市では、年内に有料での運行に切り替えることを目標にしている。さらに夜間だけでなく昼間にも運行を行い、運行車両も増やす方針だ。これを通じて市民の交通手段としての本格的な商用化が始まることになる。ソウル市は事業者募集公告をことしの下半期中に出す予定だ。
ソウル市の自動運転車のモデル運行地区では、すでにKGモーティリティと提携関係にあるSWMだけでなく、他のメーカーも無乗客でタクシーの自動運転実験を行っている。ソウル市の取り組みにさまざまな企業が挑戦できることを意味する。この1年間に乗客を乗せてすでに経験を積んでいるSWMを超える競争力を他社が見せることができるかがカギになるとみられる。
ソウル市の関係者は、「有料運送事業者選定のための公示を出し、安全を検証する段階を経る」と述べ、「具体的な利用料金はソウル市の自動運転車運営委員会でどの程度が適正なのか、既存のタクシー業界と協議を行い決めることになる」と述べた。
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