就任直後の6月、雑踏事故の現場を訪れた李大統領=(聯合ニュース)
就任直後の6月、雑踏事故の現場を訪れた李大統領=(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】韓国の李在明(イ・ジェミョン)大統領は20日、ソウルの繁華街・梨泰院で159人が死亡した雑踏事故(2022年10月)に出動してうつ病を患い、行方不明になっていた消防隊員が遺体で見つかったことについて、フェイスブックで哀悼の意を示した上で「想像することすら難しい苦痛と戦いながら耐えてきた青年のことを考えると胸が張り裂けそうだ」とつづった。

 事故の現場に出動した後にうつ病と診断され、治療を受けていたこの消防隊員は10日から行方が分からなくなっていたが、20日午後、ソウル近郊・京畿道始興市の首都圏第1循環高速道路の橋脚付近で亡くなっているのが見つかった。

 李大統領は、消防隊員は事故がトラウマとなり12回にわたり心理治療を受けていたとしながら「これまでわれわれの社会は国家的、集団的トラウマに完全に向き合って治療するのに必要な社会的安全網と心理支援体制を十分に構築できなかった」とし、多くの人々がサポートを受けられず孤立したまま放置されてきたと指摘した。

 その上で、災害や大事故でトラウマを負った被害者や遺族だけでなく、救助隊員や関係者の心のケアについても国が責任を持って対応すると約束した。


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