連合ニュースによると、ソンシン(誠信)女子大学消費者産業学科のヤン・スジン助教授の研究チームは「消費者政策教育研究」の最新号に掲載した「ミレニアルの青年たちのプロポーズ文化の中のブランド品の意味についての研究」というタイトルの論文で、「若い世代のプロポーズ文化に5つ星ホテルとブランドバッグが主流として定着している」と診断した。
研究チームが2024年の9月1日から15日にかけて「プロポーズ」というタグが付いたインスタグラムの投稿128件を分析した結果、若い世代がプロポーズの場所として最も好む場所はホテルで、42%を占めた。
38の投稿はホテル名が明記されていたが、19のホテルのうち17は5つ星ホテルに該当していた。ソウル市ソンパ(松坡)区チャムシル(蚕室)にある「シグニエルホテル」を利用した人の投稿では「99階」、「93階」のように階数も書かれていた。研究チームは「同一ホテルでも等級を分けるために階数まで特定する」と説明している。自動車を使用してのプロポーズは、BMWなどの輸入車の場合にのみブランド名をアピールしている。
プロポーズのプレゼントとして最も多く登場したのはブランド品のバッグだった。計38のバッグに関する投稿では「シャネル」が19件と最も多く、その他の贈り物では「ヴァンクリーフ・アンド・アーペル」のネックレスが13件だった。
このような豪華なプロポーズが結婚前の通過儀礼として定着しつつある。韓国リサーチの「2025年結婚認識調査」によると、回答者の1000人中45%が「プロポーズイベント」が必要だと答えた。このように考える人の割合は、多数が未婚である18歳から29歳では55%で、30代の47%、40代の39%など他の年齢層より高かった。若い世代ほど、プロポーズを重要な過程であると認識する傾向にあるといえる。
プロポーズの高級化は、結婚費用の上昇とも関係がある。5つ星ホテルでは100万ウォン(約10万6000円)をはるかに超えるプロポーズ用客室パッケージを提供し、客室を花と風船で飾る数十万ウォンのイベント商品を販売する業者もある。さらにバッグやアクセサリーなどのブランド品のプレゼントを加えると、費用は天井知らずに跳ね上がる。
ハナ金融研究所の「大韓民国金融消費者報告書2025」によると、最近3年以内に結婚した新婚夫婦の平均結婚費用は約2億ウォン(約2120万円)に達し、現在結婚を予定している人々は2億3000万ウォン(約2440万円)程度を予算として考えており、毎年約1000万ウォン(約106万円)ずつ増加している。
米ウォールストリートジャーナルも、2023年7月の「結婚式前の高いハードル、4500ドル(約66万円)のプロポーズ」と題された記事の中で、韓国の豪華なプロポーズの事例を紹介している。
専門家らは、このようなプロポーズがSNSを通じた青年層の誇示欲求と、社会的体面と結婚慣習が結合して生じた現象だと分析している。男性が女性にプロポーズする伝統的な意味を越えて、ブランド品のプレゼントを陳列する行為に変質したのだ。
イナ(仁荷)大学校消費者学科のイ・ウンヒ教授は「韓国では安定した職場など、ある程度の条件を備えてこそ結婚できるという認識がある」と語り、豪華なプロポーズ文化が結婚と恋愛を諦める人々の相対的な剥奪感をさらに高めるおそれがあると懸念している。
スクミョン(淑明)女子大学消費者経済学科のチェ・チョル教授は、消費は個人的満足の側面もあるため、経済力が裏付けられている場合には悪いことではないと反論している。
研究チームは、誇示的な消費を美化するコンテンツを批判する能力を育てるSNSリテラシーについての教育が必要だと提案している。さらに、新社会人とこれから結婚する人々が健全な結婚慣習と財務の安定性を確保できるよう支援する「公共結婚準備教育」政策を導入すべきだと主張している。
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