韓国統計庁によると、7月の海産物や魚介類などの物価を示す新鮮魚指数は前の年の同じ月に比べ7.6%上昇し、2023年の2月に8.1%を記録して以来2年5カ月ぶりに最も大幅に上昇した。これは農畜水産物全体の物価(2.1%)はもちろん、生鮮食品指数(2%)の上昇率を上回っている。
品目別に見た場合、多く消費される「大衆性魚種」と、輸出量が増えて内需用価格への圧迫が続くのりの値上がりが目立っている。イシモチは1年前の同期間より13.4%上昇し、サバ(12.6%)、牡蠣(12.7%)なども二桁台の上昇を記録している。エビ(9%)、のり(8.2%)、するめ(6.6%)なども全体の物価上昇幅を上回った。
特に本格的な猛暑が始まれば、養殖水産物の価格も同様に大幅に高騰する可能性がある。高い海水温によって水産物が大量死するケースが増えると需給が不安定になり、これが全て消費者価格に転嫁されるためだ。特に夏休みシーズンを迎え、各産地で活魚の刺身の消費などが増える時期と重なると、養殖魚類の価格はさらに上昇する可能性がある。
韓国海洋水産開発院によると、7月の最終週時点のヒラメ1キロの産地価格は1万7500ウォン(約1870円)で、前の年の同じ時期に比べ21.2%上昇した。クロソイの産地価格(500グラム)は1万1200ウォン(約1200円)で、前の年の同じ時期より9.3%高い。海洋水産部は早期の出荷を誘導して最大限需給を安定させる方針だが、猛暑が深刻化するほど水産物の死亡率も上がるため、価格が安定するかどうかは未知数だ。
問題は、このような現象が近年毎年繰り返されているという点だ。漁獲量が構造的に減ったことでイカやサバなどが韓国の漁場から消えたうえに、夏の高水温警報が発令される時期も早まって被害が深刻化する可能性が高まっている。すでに気候変動が構造的な問題になっているため、長期的な対応策が必要になっている状況だ。
韓国政府の「第3次国家気候危機適応強化対策」によると、農業・水産部門の気候変動対応のための投資額は計11兆2300億ウォン(約1兆2000億円)だ。これは財政投資額全体の約半分に達するが、現場で必要な技術の普及のための研究開発や各種の研修コンサルティングなども必須の課題だ。
特に水産業分野には「水産業・漁村発展基本法」の他にも、より具体的な気候変化に対応するための法的基盤が必要だとの指摘も出ている。国会予算政策処は「水産・養殖関連の法律に気候変化にともなう影響と実態調査、脆弱性の評価などのための規定準備を体系的に行う必要がある」と指摘している。
一方で、海洋水産部も漁業構造の改善と気候変動に対応するための予算準備に努めている。今年の予算にはスマート養殖業の標準化モデルの開発(5億ウォン/約5340万円)、既存の養殖場の自動化設備への補助(58億ウォン/約6億2000万円)などが含まれている。また、漁船の減隻(2206億ウォン/約236億円)など漁業の構造調整のための予算も含まれている。海洋水産部は気候変動に対応するため、関連予算をさらに増やすものとみられている。
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