保険業界が、火災被害と常に隣り合わせである伝統市場の現状を指摘し、「伝統市場及び商店街の育成のための特別法(伝統市場法)」の改正を求めている。加入率や保障水準が低い「火災共済」の加入支援にのみ焦点を当てている現行制度について、「火災保険」も選択肢に加えるべきだという主張である。火災発生時にはさまざまな財政支援が適用されるという非効率も繰り返されている。

10日、保険業界によると、共に民主党のキム・ギョフン議員は、第3四半期(7〜9月)中に伝統市場法改正案を提出する予定だ。今回の改正案の核心は、伝統市場の火災共済運営支援に関する第24条の2第2項に「火災保険」を追加し、支援対象を拡大することで、火災リスクにさらされている伝統市場の商人を保護するという趣旨である。現行法は「政府と地方自治体は、伝統市場の商人および組織の火災共済加入率を高めるため、予算の範囲内で火災共済料の一部を支援できる」と規定している。

伝統市場は火災共済加入率が低いため、火災による財産被害の多くを国費や募金に頼っている。宣伝不足などから、火災共済の存在自体を知らない商人も多いからだ。たとえば、2016年11月に発生したテグ(大邱)・西門市場の火災では、財産被害が469億ウォンに上ったが、そのうち30.5%を国費と募金でまかなった。当時の火災共済加入率は29.1%にとどまった。

特に、商人が火災保険にも加入できるよう支援する必要がある。1店舗あたりの火災被害復旧費用は数億ウォンに達するが、火災共済の平均加入額は2,000万ウォン(什器・動産基準)に過ぎないためである。火災共済を運営する小商工人市場振興公団は最大補償限度額を6,000万ウォンに設定しているが、実際にその金額の補償を受ける例はごく一部に限られる。

保険料負担の軽減という観点からも、法改正は急務だ。2022年から国民権益委員会の勧告に基づき、自治体ごとに火災共済料の30〜90%を支援しているものの、零細商人の49%は依然として保険料を経済的負担と感じている。火災保険の加入率は火災共済よりも低く、両方に加入している割合は約5%にとどまっている。

火災保険協会もこの問題解決に積極的に乗り出している。今月中に、国会議員や政府関係者、伝統市場関係者、保険業界、火災専門家らが参加する伝統市場法改正のための政策セミナーを開催し、火災共済の政府支援範囲拡大、民間保険の活性化、保険加入率向上策などを議論する予定だ。また近く、伝統市場の火災予防対策や商人の受容度などを総合的に調査した全国規模のアンケート結果も発表する方針である。

キム・ギョフン議員は「国会行政安全委員長だった頃、インチョン(仁川)のヒョンデ市場の火災で生活の基盤を失った商人たちの痛ましい姿を忘れていない。伝統市場の火災予防のために長く思案してきた」と述べた。さらに、「伝統市場には零細商人が多く、火災保険加入も負担が大きい。風水害保険のように、政府が火災保険料を支援できる法案を早急に整備したい」と強調した。
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